capo -1 別れの出会い②
最後に女子と喋ったのはいつだろうか。
中学2年の出来事を境に僕は女子とあんま喋ったことが無い。
そんな僕の目の前に同い年か少し年上の女性が立っている。
肌は病弱なんじゃないかってくらい色白く透き通っており、
彼女の顔はにんまりとした笑顔だった。
僕たちの間を甘い柑橘系の匂いと共に風が吹き込む。
「あ、あのー、、何か??」
彼女が何も喋る気配がなかったもんだから自分から喋りかけてしまった。
「いやー私ね??ギターフェチなんですよ。」
「??」
「ギター弾いてる人の指ってなんかえっちぃじゃないですか!!」
「??」
「そこに惹かれちゃうっていうかなんていうかなんか好きなんですよね〜
他にもね!弦のキュインって音とか、匂いやら…」
「???????」
何を言ってるんだこの人は??
色々なフェチニズムの名称を聞いたことはあるが、ギターフェチなんて
初めて聞いた
しかも、自分がギターを練習してる時に…
久しぶりに自分から話かけた女性が自分のフェチニズムを語り出すなんて
想像できただろうか??
とにかく不気味だったのでコンビニで買ったばっかのお茶を喉に通した。
その時だった。
「ギター少年よ気に入った!!君にファンはいるのかい??」
「ゴホッ、、、いると思います???」
盛大にむせた。肺が痛い、、、
「ほう、いないのかね??なら私が君のファン第1号だな」
「い、いや、、意味わかりません。僕練習に戻っていいですか??」
「じゃあ、ファン第1号としてその練習とやらを聞かせてもらうよい」
急に漫画の敵のおっさんみたいな喋り方だ…
「勝手にしてください、、でも少し離れて聞いててくださいお願いします。」
そう言うと彼女は目をきらつかせながら大股3歩で自分から離れるとその場に
座り手を膝の前で組み、目を瞑った。
おかしな人だなと思いながら練習に戻るが、どうしても彼女が気にかかってしょうがなかった。
弾きながら横目で彼女を見ると彼女は目を瞑りながら音色に身を委ねていた。
その姿はまるで陽炎の中を踊る妖精のようにも思えた。
すると、、、
「そうだ!!君私に曲作ってよ!!」
彼女は急に立ち上がり目を光らせながら僕に伝えた。
僕は呆気にとられ何も返せずにギターを鳴らした。
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