第4話

「アイシャ様ー! パーティーの準備ができましたので食堂までお越しください」 



メイドが呼び出しにきた。



「わかった、すぐ行くわ」



「食堂はどこにあるんだ? 」



「あら従者さんもご一緒でしたか。食堂の位置はご存知でしょうか? よかったら案内しますよ。」



「あぁお願いしても良いか。まだこの城の地図がわからないんだ」



「だったら私が案内してあげる! パーティーが終わったらお城を巡りましょう」



「そうかそれは助かるな。じゃあ食堂に行くか」



「はい、ではご案内致します。」



食堂に向かっている道すがらなぜかアイシャはニコニコしていた。



「到着致しました、ここがオラシオ城の大食堂になります。ではお入りください」



食堂には先程闘っていた兵士や女王様がすでに座っていた。



「あ! アイシャと従者くんは私の隣の席に座ってね」



女王様からの指名で俺も上座に座ることになった。



「座ったわね、じゃあこれから国境防戦勝利のパーティーを始めるわ! そして今回の主役はアハト王国の大軍を一撃で撤退させたアイシャの従者くんよ! 」



盛大な開宴の挨拶と共に一気に注目が集まる。

会場の高揚感に緊張してしまう。



「そういえば従者従者ってまだ名前を聞いてなかったわねこの際だしちょっとした自己紹介をしてもらっていいかしら」



「ああ、それなら」



「俺はエリクシード・スペリオル。アイシャ女王に召喚されてはせ参じた。以後お見知りおきを」



「は!? エリクシード・スペrr」



「エリクシード・スペリオルっていうのね! 」



食堂にいるほとんどの兵士やメイドがエリクシード・スペリオルの名前を聞いた途端驚愕していた。



「あら? どうしてみんなそんなに驚いているのかしら? ...そういえばエリクシード・スペリオルってどこかで読んだ気が...」



「それは私から説明するわ」



ここぞと言わんばかりにアイシャが補足に入る。



「彼は私が召喚した大魔導士エリクシード・スペリオル。みんなが思っている通り私たちが使っている魔法を作った始祖様よ。エリクが仲間になったからにはもうメルクリア王国はアハト王国に屈することはない! 」



「おお、本当に始祖様が現界していたとは... しかし召喚魔術はかなり高度な魔術回路を作る必要があったはずでは。やはり王女様も魔法使いであられたのですな」



「そういえば王女様始祖様を従者になされたそうですが誓いの契約はもうおなりになったのですか? 」



「そ、それはまだしていないが...。あくまでエリクは仮初めの従者であってまだ誓いの契約は早いと思うんだ」



「そうなんですか、楽しみにしていますね」



よくわからない契約の話をしているようだが今は取り敢えず考えなくて良さそうだ。



「まあまあ皆話はこのくらいにしてせっかく強力な味方の始祖君も仲間になってくれたことだし開宴しましょうか」



「では、女王アストリアの名のもとにパーティーを開宴するわ!!!! みんなたくさん食べて英気を養って頂戴!!! 」




アストリア女王の開宴でパーティーが始まった。

皆で食事を取ることがこんなに和気藹々できるなんて思ってもいなかった。

こんなに笑顔が多い空間を前にすると今が争いの真っただ中と言うことが嘘のように思えた。






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