第2話

「魔王ってやつは、どんなやつなんだ?」


 悟は心の中で思ったことをつい口にしてしまった、


「それを、話すためにいまから宮殿に移動するのだ、そこで戦うべき敵やこの世界のルールを教える」


 王はそれを聞いていたので悟に次の場所で説明するといい、目の前に到着した電車らしきものに乗り込んだ。


「なんで、こんなもんがあるんだ?」


 と一彩は疑問に感じていると、


「魔法で動かしておる、それを補助するように部品は必要だが、乗り物は基本的に魔法でどうにかなっている」


「そんなものなのか?」


 王は国のことを話した。


 電車の外を眺めると中世ヨーロッパの家屋や住宅地を過ぎると、次は商店街が見えた。


 それらを通り越した先に城の宮殿が近づいてきた。


「あれ?あの建物、神殿の隣にあった気が。」


 呟いたら王が答えた。


「この世界の、住まいと商店街も見せておこうかとね、次きた時に場所は知っていたほうがいいと思ってね、それにゆっくりする時もあるし、外出する時は各々個人で行ってきて欲しい。」


 王はなるべく彼らにストレスを感じさせないような工夫を凝らすために電車という手段を取っていた。


 そして、電車から降りて城に誘われた、そして奥に入っていくといかにも謁見部屋と思われるところに着くと同時に、王がその部屋にある大きな椅子に座った。


「では、我々が召喚した理由を話すとしよう」


 一言からこの世界の内容を聞かされた。


「魔王を倒して欲しい、この世界には魔王が出現した時、我々人間は太刀打ち出来ずに絶滅してしまう、それを倒せるのは召喚された者達しかできないのだ」


 言われた事に対してすぐさま先生が。


「なぜ、絶滅してしまうとわかるのですか、自分達で抵抗すればいいじゃないですか!」


「無理だ、この世界で魔王を倒せるのは転移者に宿る光の力でしか倒すことしか出来ない、そのうで、魔王を倒すためには勇者という存在に昇格しなければならない。」


 ゆっくりと王は話した。


「勇者?」


 先生は勇者という言葉に引っ掛かった。


「そう勇者だ、転移した人間の中でたった1人しかなれないのだ、しかし勇者になれる人間はわからない、だからこうして沢山の人を召喚しなければなかった」


 王と先生が言い争っていると王が話を進めた。


「この世界の強さの指標というものを説明しよう、ステータスと声を出して言ってみてくれ」


 クラスの皆で『ステータス』と声を出したら半透明な画面がでてきた、そしてそこに書かれていたのは。


「転移者」


 美希はそこに書かれていた者を読んだ。


「これって何かな?悟わかる?」


「いや、わからないな、これしか書かれてないしステータスと言うぐらいなのに攻撃力とか防御力とか書かれてはいないな。」


 それを聞いていた王は答えた。


「それが、ステータス、この国の自分達の存在を証明するものだと思ってくれ、そしてその中にある称号は、その人物の能力に左様し変化する、大体は自分を鍛えたりすると特定の称号を獲得してその称号にあった力を肉体に付与するものとなっている。」


「最初から勇者ってやつは居ないんですか?」


 一彩が手を上げて言うと、他のクラスメイト達も同じ疑問を感じていた。


「今のところはいないだろう、最初から勇者という精神性を持った人間は滅多に居ない」


 聞いた、一彩は


「精神性?心の持ち方の変化で称号は変わるものですか」


「変わる、人に慕われたり、認めたりされる時でも変わるものだ無理やり認めさせてその称号を手に入れることも出来る。しかし勇者は個人の精神性と行動でなれる者であり、それは転移者に限った話だけで勇者になれる、しかし、我々は実際どういうタイミングでなるかよく分からないものだ。」


「はぁ」


 一彩はよく分かってない感じで返したがクラスメイト達含めよく分かっていなかった。


「それはそうと、戦うべき魔王の話をする、ここから少し移動する。」


「ここから、また移動するんですか?」


 先生が反応をしたところで王が移動をし始めた。


「少し、移動するだけだ」


 言われ、皆で移動をし始めた。


 移動したところは、暗い場所だったそこを一言で説明するのなら懲罰房と言われても納得する場所であった、


「いまから、魔王になりうるものを見せます、気分が悪くなったら後ろの兵士に言ってください」


「魔王になりうるもの?」


 と疑問に思った悟は、王が懲罰房の部屋を開けた。


「ふーふーふーふー!」


 と、息を出して暴れる人間がそこにいた、その人間は筋肉隆起していかにも破裂しそうで、頭の血管も浮き出ていた。


「な、なんですかこれは!?」


 先生は王に切羽詰まった表情で説明を言及した。


「魔王になりうるもの、我々はこれを魔王の因子と呼んでいる」


「魔王の因子」


 と呟いた悟。


 他のクラスメイトの中から気分が悪くなったものや絶句してるものがいた。


 次の瞬間王が発言をした。


「この者たちを殺し魔王討伐を成し遂げて欲しい」


「こ、殺す!?そんな事が出来るわけないじゃないですか!私たちは平和の国の日本ってところから来たんですそこは簡単には殺人を行う世界ではないんです!それに、あなた達がやればいいじゃないですか!」


 一気に喋った先生に対し王は返した。


「無理だ、この者は魔王の因子に守られている、その力を突破して殺す術はない、我々ができるのは餓死をさせるために、こうやって牢に入れる事しかできない、しかしそれを、耐えれる人間ならこの牢を破って次の魔王へと覚醒する危険性もある」


「だ、だからって!」


「頼む、我々の世界に力を貸してくれ」


 王は平伏した、そして周りの兵士も共に平伏をして助けを乞うた。


「わかりました、僕はやります神殿で魔王を倒したら帰還魔法が手に入るそれ以外では帰れないんでしょ、ならやるしかないです」


 と発言したのは悟であった。


「じゃあ、悟がやるなら私もやります」


 と次に声を上げたのは美希であった。


「2人がやるなら俺もやるしかないか」


 一彩が言い3人は魔王討伐をする事にした。


「あなた達、分かってるの?相手は動物じゃないの人なのよ!?」


「でもやらないと帰れない、ならやるしかないでしょう」


「なっ」


 悟が返し先生はその言葉に怯んだ。


「なら、一つだけお願いがあります王様、できない人には無理強いをせず、その間面倒を見てくれますか?」


「もちろんだ、そのくらいのことは私達も想像の範疇である。」


「わかりました、私もこれ以上は言いません」


 と、2人でそういう約束をし、


「今の王様の言葉から、できると思う人だけで魔王討伐を目指すとしましょう」


 先生がクラスメイト達に投げかけた。


 そしたら、ある程度のクラスメイト達が俺もやる、やりますという声が上がった。


「ありがとう、だが、このままでは戦えぬであろう、まずは戦えるために鍛えなければならない、そのための学校があるまずはそこで励めるとこを用意する、そこで基礎能力をあげて見習い剣士を目指して欲しい」


「「はい」」

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