魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

第1話 異世界転移編

 窓の外に広がる青い空を教室の端で穏やかな空気を感じる、


『平和だなぁ』


 のどかな世の中に感想を抱いていると、彼のすぐ隣の席から、


「悟……」


 彼の名は早川悟で。


 透き通るような声をしている、悟は声のした隣の席の方を向くと、優しく微笑みが似合う少女が居た、少女は肩まで伸びて艶のある黒髪をしていた。


「美希かどうしたんだ? 」


「いや、何でもないよ、ただ一緒に居たいだけだよ!」




 美希は悟と会話するのが嬉しいのか桜のように落ち着いた様相から向日葵のような笑顔を見せていた。


 その様子を遠くから見ていた一人の筋骨隆々な男がこちらに近づいてきた。


「お前ら、毎日2人でイチャついて皆の事も考えてくれよ」


 そんな言葉を掛けてきた。


「イチャついてないよ!そばに居るだけだよ一彩!」


 頬を染めながら美希は言葉を返した男。


 この男も幼馴染みで岡山一彩。


「そうだぞ一彩、美希が近づいて来てるだけだ」


「はぁ、自覚無しか……まぁ毎度の事か」


 大きな溜息をしながら、直ぐに一彩も含めて談笑をし始めるた。


 そうしているうち、チャイムが鳴り響いた、一彩は自分の席に戻るため二人から離れていこうとした。


「あっ、時間だ」 「もう、こんな時間か」


 チャイムが鳴り、直ぐに担当の先生が教室の扉を開いて入ってくるとすぐに、日直が号令を掛けた。




 授業を受け始めて半刻が過ぎた頃だった。


 突然、教室の地面が光始めた。


「うっ、うぅ」


 光は教室を呑み込んでいった。


 光が止みゆっくりと目を開けて周りを見回すと、ローブを着た人間が6人ほどおり、

 直ぐ近くにはクラスメイト達の姿がいた。


「やっ、やったこれで世界が救われる」


「こ、これで魔王の力を怖がらなくて済むぞ!」


「王に報告だ!!」


 魔王、フィクションやゲームの中でしか聞かない単語が聞こえた瞬間。


「魔王」


「魔王だって」


「キタコレ異世界転移」


 などと、クラスメイトの中から声がしてきた。


 すると、ローブを着た人間が近づいてきた。


「皆さん、ようこそ私達の世界に、いまから我が国の王が皆さんを召喚した理由をご説明します」


 そう言われて直ぐにこの部屋を移動する事になった。


 王の部屋に移動する廊下を歩いているなか、すぐに一彩と美希が近づいてきた。


「悟、これはどうなってんだ? 突然教室が光ったと思ったら変なところに来たぞ、それに、あの黒ローブ達はなんだ?」


「わからない、けど王様と呼ばれる人のところに連れていかれてるらしいな、状況がわからない以上、大人しくついて行くしかない」


「そうなるか・・・ところで美希は何か言いたいことはあるか?」


「ん?何も無いよ、2人と一緒について行けば大丈夫かなって」


「それで、いいのか」


「皆さんここです少々お待ちを」


 大きな扉の前まで来ていた、そしたら黒ローブが。


「王よ、転移者達をつれてまいりました!」


「うむ、入れてくれ」


 中から返ってきたら黒ローブがこちらに向かって。


「王がお待ちです、ご説明がありますのでどうぞお入りください」


 すぐに扉が開けられた。


 クラスの皆と共に部屋に入ると同時に引き締められた肉体をした無精髭を生やし神聖そうな服装を着た男が居た。


「突然の、無礼申し訳ない、今この世界は危機に瀕している」


「この世界……」


「危機とは?それにこの世界とはなんですか日本ではないですか?」


 返したのは授業をしていた先生唯一の大人。


 その言葉聞いた王は俯きながら申し訳なさそうにこの世界がどういう世界なのかを説明した。


「この世界の名はシクトという」


「地球じゃ無いんですね?」


「違う、この世界は魔法が中心となっている世界である」


 王は片手を上げると、一瞬で水が出現した、その水が球になったり三角錐になったり四角柱と形を変えた。


 そこまでされたら、皆が現状を認識し始めるた。


 しかし、クラスメイトの中から俺TUEEEEができるとか知識チートで大金ゲットするぜという声がぼちぼちの聞こえ始めた。


「地球に帰還する方法はあるんですか?」


 その瞬間、クラスの何人かが、


「余計なことを」


「別に帰らなくてよくね」


 何て言う声が聞こえたが。


 そんな声が聞こえるのを気にせず先生は気丈に振る舞いながら帰還するための方法はないかと訪ねる。


 王は申し訳なさそうな顔をすると。


「今のところは無い」


「無い?連れてこれるのに帰すことはできないと?」


「そうではない、魔王を倒すことで帰還魔法が手に入る、だが、どういうものかは知らない」


 先生はこの世界では右も左もわからないの何なら目の前に居る人間が私達の命を握っているのかと思い引き下がった。


「神殿で話すのはここまでにしよう、次は城の方で話すとしよう」


 そして、彼らは移動すると神殿と呼ばれる建造物の外からでた世界は電車や飛行船が合った。


 悟も、少しは異世界物というジャンルの小説を読んでいたが想像と全然違いすぎていた。


「なっ、なんでこんなものがあるんだ」


 その声が聴こえたのか王が一言。


「驚くことではない、魔法という便利な物があるのだ、ちょっと知恵があるもの達がいたからできた」


 言われた悟はこう思った、こんな世界で俺達が呼ばれた理由の魔王ってやつはどんなやつなんだと。

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