第18話 紅部隊

飛行訓練は、満足の行く状態です。

次のステップ、宇宙空間で、トマト格納庫よりの、出撃着艦の訓練が始まりました。

宇宙空間での発進着艦は、感覚が掴み難いようで、事故が続出でした。

着艦で失敗でんぐり返しする機が結構有りました。

バリアが無ければ大破する程の事故ですが、そんな事故でも搭乗員は無傷で、緩衝材で覆われる、子供達の操縦席の安全性は完璧です。



いよいよ卒業試験飛行、子供達の搭乗です。

「ピク隊長宜しくお願いします!!」「ダズ下士官候補生、頑張ろう!!」

「ペック少尉宜しく!!」「バズ下士官候補生、頑張ろう!!」

「パク少尉宜しく!!」「シーラ下士官候補生、頑張ろう!!」

搭乗前の挨拶を、子供達が上官のピクシー達にしています。

ピクシー達は、子供達を気遣い、子供達はピクシー達を心から慕い頼っている、良い関係を築いて居るようです。


小型艦の艦長は、軍規で士官以上、操縦士は伍長以上となっています。

着艦まで、完璧にこなせたなら、下士官候補生から伍長に昇進させる予定です。


順調に次々に発進して行きます。

紅隊に関しては、ピク隊長の助言で、最少バリアを発動し、浮いた機体が滑り出す感じの発進にしています。

この助言により、格納庫内のトラブルが皆無になりました。

以後、格納庫からの発進着艦は、この方式を正式採用する事になります。

12番機、ピック艦長とユズの小型艦も、順調に滑り出しました。


トマトの周りを旋回し、着艦は12番機から順番に帰還します。

流石ピックの、厳しい指導を受けただけあって、9才のユズが見事に着艦しました。

着艦しただけで終わりでは有りません、次の11番機の邪魔に成らないよう、速やかに所定の位地に移動するまでが着艦です。

11番機が着艦、速やかに所定の位地に移動と、順調に進んで行きます。

最後の1番機が着艦して、全て終了です。

合格の通知をし、3日間の休暇を子供達に与えました。

下士官候補生でも、手当ては出ます。

子供達は、嬉しそうに街に遊びに出掛けて行きました。



3日後、子供達を集合させ、正式辞令を与えます。


「おめでとう諸君!!」

「「「はい!!有り難う御座います!!!」」」

「本日を持って、諸君が搭乗している戦艦の、艦長代理に就任しました」

「「「「「えっ?」」」」」

「今まで、諸君の指導に当たっていたピク達は、新型戦艦の艦長に就任します」

「「「「「「「「「「え~~~っ」」」」」」」」」」

「気心が知れ、相棒となったピクシー達と別れるのは残念でしょうが、明日からは諸君の戦艦に、砲撃主として新なピクシーが配属され、攻撃訓練が始まります」

「「「お~~~ぅ!!!」」」

「機長代理に就任した諸君の階級昇進を発表します、ダズとシーラ2名は曹長、小隊長に就任、ダズは部隊長兼務、他の隊員は軍曹に昇進した、明朝、新搭乗員と合流し攻撃訓練を行うよう、以上連絡終わり、ユックリ休んでおく事、解散!!!」


「帝王様!艦長代理は嬉しいけど、なんでピク隊長達と分けるんだ?納得いかねぇ!!」

「ダズ達の技術は、艦長として充分やって行けると、ピクが保証して居ました。

ピク達には、新にピクシー4名補充して、6メートル級新型戦艦で山吹部隊を編成、既に任務に当たって貰っています」

「任務って?どこに行ってる?」

「任務は、極秘!!攻撃訓練の如何では、紅部隊は山吹部隊に合流し、任務に当たって貰うかも知れん」

「「「えっ!!!頑張る!!!!」」」


砲撃は、ピクシー達が完璧にやってくれます、目標達成し少しダレた子供達に奮起して貰う為、ズルイ仕向けと思いますが、立派な部隊に仕上がって行きました。



紅部隊は、元気良く砲撃訓練に飛び立って行きました。

ベガ星成層圏を突き抜け、宇宙空間を漂うスターダスト群に向かいます。

ダズ隊長艦の艦内。

「艦長!!何れを狙う?」

「艦長はダズさんでしょう?私は砲撃主のパシーだよ!!」

「あはっ、そうだった!!急な艦長代理就任馴れないもんで」

「艦長!改めまして、砲撃主兼戦闘機乗りのパシーです!宜しくお願いします!!」

「パシー、こちらこそ宜しく!頼りにしてる」

「はい!!しっかり補助しますよ!!」

「相棒!!仲良くやって行こうな!!」

他の戦艦も同じような会話で、新艦長達とピクシー達は、良好な関係を築いて居るようです。

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