第17話 子供達
「人が居ない方が早く作業が済む」
良く解りませんが、精霊の二人エンギルとデンギルが言う事です、理解が出来なくても従った方が良いと思い、心配ながらも希望通り、ヤマトト搭載艦ピクス小隊長の3メートル級小型艦を護衛に、精霊二人をココ惑星に残して、戦艦ヤマトトはベガに帰る事にしました。
星間連合軍専用となった、軍港に着艦、そのままトマトの格納庫に納まります。
「あっ!帝王様だ!!」
A型戦闘機を担いで逃げた、12才のダズが嬉しそうに声をかけます。
「「帝王様、お帰りなさい!!」」
同じく12才のバズとシーラも声をかけて来ます。
奴隷だった子供達は、ボアに抵抗して滅ぼされた星の、僅な生き残りだそうで、奴隷の殆どがその様な経緯で狩られて来た人達、新政権は補償金と仕事等の斡旋に尽力し補償を勧めています。
12人の子供達は、補償政策から溢れた、不運な子達、可能な限り希望を叶えてやりたい、もっとも、奴隷収容所から、コッソリ逃げ出して居た事も、補償漏れの要因ではあるのですが。
行動力があり、機転のきく、逞しく優秀な人材は子供と言えど貴重です。
12才3人、11才4人、10才4人、9才1人、12人は全員戦艦搭乗員希望で、小型戦艦の見習い搭乗員として、飛行訓練のスケジュールを組んで居ますが、問題は教官が妖精って事です。
ドワーフでは教え方に難があり、ツーコッツ軍人では、子供達が怖がりそう、私が教えるのが良いのでしょうが、座学は兎も角実技は私が習いたい位です、一人で操縦した事の無い私ではね。
最終的には、ピクシー達にお願いするしか有りません。
座学は私が教える事になりました。
「今からオーコッツ星系戦闘艦の飛行理論、飛行システムを簡単に説明します、走行は地乗車も航空機も星間戦闘艦も全て原理は同じで、オーハルコン鉱石から得るエネルギーで走行飛行が行われます」
子供達は真剣に聞いて居ます。
「皆さんは、工兵志望で無いので、詳しいエンジン構造は今回は省略します」
「皆さんが、気になっている操縦席の模型で、機体操作の説明を行います、全員此方に来て下さい」
実際触れる、実物大の模型の回りに、待ってましたとばかりに、駆け寄ってきました。
「ダズ!操縦席に座って」
嬉しそうにダズが座ります。
「まず手前に有る操縦菅は、手前に引くと上昇、向に倒すと下降、右に倒すと右旋回、左は左旋回になります、ダズユックリ操作してみて!!そう、ユックリ操作、上手」
「操縦菅の左前にあるBの文字のスイッチは、押すとバリア発動、右に捻るとバリア全開に、もう一度押すと解除します」
「足下にあるペダルは右側が前進、踏み込みの強さで速度が増します、左側は逆噴射ブレーキになります、これも強く踏み込むと急ブレーキになります」
「ここまでで質問は?」
「無いようなので、一人ずつ順番に操縦席に座って、感覚を覚えて下さい。
実際の操縦席と同じに作られて居るので、踏み込みの強さ、操縦菅の引きの感覚が掴めます」
一人一人の操作をじっくり確認、9才最年少のユズちゃんも、丁寧な操作が出来ていました。
ピクシー1人に子供1人でも、充分やって行けそうです。
縦1.5メートル幅2メートル全長5メートルの小型艦を、練習機として用意した、ピクシーの小さな操縦席に、子供サイズの操縦席、2席に改造した小型戦艦は2機でしたが、同形の10機の改造も間に合ったようです。
「ではこれで昼食休憩にします。昼休憩後、実際の飛行訓練です」
子供達から歓声が起こりました。
実際飛んでみたいよね!分かる、模型に触れて、気分は既に、宇宙空間を飛行しているような、全員キラキラした目をしてました。
ピシー隊長の人選で、12人のピクシーが子供達に一人ずつ着いて、実地指導する事になり、ピクシーが教官兼機長で、子供達が操舵士です。
勿論機体は安全の為、縦横20層の紅です。
ダズの艦に、機長としてピクが搭乗し隊長に、9才のユズには、戦闘機乗りエリートのピックが機長として同行する事に決まりました。
12機の小型戦艦隊は「紅隊」と命名されました。
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