第15話 ボア星
「此方は進駐連合軍、テラ星系副官ヤマダ!ボア星に接近中の戦艦、所属と艦名を名乗れ!!」
「テラ艦隊ヤマダ?副官、ボア星系監視ご苦労!!こちらはオーコッツ星系所属戦艦トマト!私は星系帝王堀川」
「見馴れぬ巨大戦艦なので、失礼しました!!帝王様!!!!」
「マーシャル総司令官が、上手く統治してくれてるようですね!!」
「それが、総司令官は帝王様の到着を、首を長くして待って居りました」
「何か問題ですか?」
「ボア軍港に着艦してから、総司令官より説明が有ると思います」
ヤマダ副官が搭載小型艦で先導、トマトは無事ボア軍港に着艦しました。
軍港には、各星系の兵士数十人が整列警護し、マーシャル総司令官と、ヒタ星系司令官、シダ星系司令官、ローダ星系司令官、各星系の司令官総出で迎えてくれました。
全員の顔には、濃い疲労が見受けられます。
重い空気を纏い、軍港の会議室に直行です、警護の兵士は両脇を隊列を組み進みます。
私の護衛は、戦艦トマト搭載100センチのA型戦闘機、ピシー隊長率いる20機が、やってくれて居ます。
静かに浮かぶ、直径20センチ全長100センチの物体が、有人戦闘機とは同行の司令官達は誰も気付いて居ない様子です。
厳重に警備兵が警戒する中、会議室に入ります。
15機が辺りの警戒で、5機が私の身辺警護に当たります。
「堀川帝王様!私の力及ばず、申し訳御座いません」
深々と頭を下げ、謝罪してからマーシャル総司令官の、現状説明が始まりました。
要約すると、連合進駐軍による統治を、受け入れないボア残党勢力がいて、妨害工作が日に日に過激化されて居るそう、ボア残党勢力は住民に対し、
「ボア星系の隸属星系である、ヒタ、シダ、ローダ、テラ等に従う必要は無い!!増して言い成り星系のオーコッツの奴等など、1歩でもボア星に踏み入れたら皆殺しにしてやる!!!ボアの住民よ団結せよ!!!!」
と息巻いて居るとの事。
住民は、独裁者の政権下、暮らしは貧窮する一方で、ボア残党から民意は離れて居る様子です。
ボア艦隊残存18隻の艦長達は、身を持って体験した、恐怖のオーコッツ艦隊の対応不可能と思われる攻撃について住民に説明して、ボア残党政権の者達がこれ以上抵抗すると、ボア星系が壊滅してしまう恐れが有ると、説得に飛び回っているそうです。
ボア放送局による星系放映する中、堀川帝王様自ら、ボア残党政権に呼び掛ける事に議会決定し、明日正午に実行する事になりました。
思惑は、話し合いに応じず、狙撃等して来ると思われる、ボア政権の建物を反撃壊滅する口実作りが本音です。
放送当日、100センチ戦闘機50機が、バリア全開で私を防衛する中、私の演説が始まりました。
「私はオーコッツ星系堀川帝王である!ボア総統は私に敗北して死にました、私はボア独裁政権を認めません!!そもそも、この星系はボアで無く、ベガ星系であると聞き及んで居る、此れからはベガ星系の臨時政党と取り決めを行う、ボア残党の諸君建て込もって星系住民の為に何が出来る?」
(所詮独裁者の腰巾着ども、政治理念、確固たるビジョン等無く、意地になって居るだけであろう)
瞬間、数発の銃声が響きます。
(ビックリした!!!)
全て私を狙った狙撃ですが、全開バリアが見事に弾き返しました。
(本当に狙撃しやがった!!もう遠慮無く死刑!!!)
「ボア残党の諸君、ベガ星系の住民の事は何も考えて居ないと言う返答と受け取りました!!!」
「諸君等ボア残党は、戦犯裁判でA級戦犯と確定して居る、少しでもベガ星系住民の役に経つならB級戦犯にと恩情したが、無用の気遣いであった」
「処刑を執り行う!!!前面5機、目標ボア残党の建物!熱核転移砲発射!!」
5階建てのビル、各階中心部に各1発の熱核転移砲が撃ち込まれました。
ビルは、熔解した中心部に向かい、崩落し消え去りました。
このチャンスに乗る事にしましょう!!
「ボア改め、ベガ星系の皆さん、私の統治理念を発表します」
「全星系の住民は、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有する!!!」
「我等星間連合は、何れの星系も自星系のみに専念し、他星系を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的な物であり、この法則に従う事は自星系の主権を維持し他星系と対等関係に立とうとする各星系の責務で有ると信じる」
「和を持って尊しとすべし!!」
「星間連合の皆さん、共に豊かになりましょう!!!」
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