第13話 開戦
「隷属星系軍、手を出すな!!我自ら壊滅してやる!!!」
強制寄せ集め艦隊は、これ幸いと距離を取り、傍観の構えです。
騎士の一騎打ちじゃ在るまいに、攻撃してくるまで、待ってやる必要無し!!
「目標100メートル級、戦艦20隻、全機攻撃せよ!!」
「「全機、攻撃開始します!!」」
「味方機はバリアで保護されている、熱核砲エネルギー充填120%」
「カンチョ何時でも撃てるよ?」
「発射10秒前」
「何時でも撃てるって!!」
「5秒前、総員対閃光対衝撃防御!!」
「「「「「「「「艦長?どうすれば良いだ??」」」」」」」」
「目を瞑って、何処かに掴まれぇ!」
「発射ぁ!!!」
「はい!送りました」
「カンチョ、即撃てるのに、何モタモタした?」
「メイさん、男のロマンだよ、有名な攻撃シーン、やって見たかったんだもん·····」
目を瞑って操縦菅に掴まった130機の妖精達の戦闘機は、其のままボア艦隊にフラフラ突っ込みます、「タイセンコウ、タイショウゲキボウギョ」と呟きながら。
あっちにフラフラ、ズボッ、此方にフラフラ、ボスッ、目標は100メートルの巨大戦艦20隻、文字通り目を瞑っても当たっていました。
フラフラ突っ込んで来る、小さな戦闘機にボア艦隊は迎撃も出来ず、たまに当たる迎撃弾はバリアに弾かれ、無抵抗状態で突っ込まれ穴だらけになり、走行不能艦が続出します。
と、同時にボア総統の旗艦が内部爆発により、船体が真っ二つに折れ轟沈。
「おのれ!内乱が勃発、チャンスと思うたが、余など比べる術の無い、化け物が居りよった、不覚であった·····」
ボア総統最後の思いでした。
溜まらずボア艦隊生残りは、無条件降伏します。
永く感じた、60秒の出来事でした。
熱エナジーを安定シャボン玉で包み、転移エナジーで敵艦内に転送する、熱核砲の正体で、ピクシーの能力あっての、攻撃方です。
廻りの傍観艦隊から、通信が入ります。
「オーコッツ星系堀川帝王様、見事な戦いによる完全勝利おめでとうございます!!」
「この勢いで、ボア星系も制圧され、我等の解放を願う!!」
「我がヒタ星系は、堀川帝王様に忠誠を誓います」
「我がシダ星系も、堀川帝王様に忠誠を誓います」
「我がローダ星系も、堀川帝王様に忠誠を誓います」
驚異のボア艦隊を、全くの無傷での完全勝利に、次々と忠誠を誓われましたが、称賛からだけでは無いようで、取り合えず忠誠を誓って様子見でしょう、これからの私の態度が重要です。
「我がテラ星系も、堀川帝王様に忠誠を誓います」
(一寸待ったぁ!!!来た、来た、来ましたぁ!!!テラって地球だよね?)
気になるが、問題を解決してから、じっくり調査する、先ずはボア艦隊のしまつ。
見た目ほど被害が無く、被害甚大な1隻と破壊された旗艦のパーツと装甲を利用して18隻の応急修理が終わりました。
ボアの工兵も優秀です。
オーコッツ星系に対する恐怖心を、ボア艦隊にシッカリ植え付けた割に、死傷者が非常に少なかった事は、狙い通りと言えます。
この戦闘での死者は、ボア総統とその高官5名のみで、熱核砲はボア総統に向けて撃ったので当然の結果です。
見事に破壊された、旗艦の搭乗員達は、真っ二つになった船の前後に、綺麗に固まって生存して居ました。
ボア総統と高官5名の遺体は、宇宙葬にされ、ボア星系に総統死亡と敗戦の一報が送られました。
独裁者の最後は、いずれも憐れなものです。
「ボア艦隊は星系に帰還後、戦犯裁判と戦後賠償等の準備を急げ!!」
「テラ艦隊の司令官はどなたですか?」
「申し遅れました、テラ艦隊司令官マーシャルであります」
(あれ?沖田とか真田じゃ無いんだ)
「テラ艦隊マーシャル司令官を、臨時に連合艦隊の総司令官に任命します」
「はっ!!謹んでお受けします」
「他の星系軍、艦隊司令官も協力願います」
「「「テラ艦隊司令官の指揮に従います!!」」」
「連合艦隊は、ボア星系までボア残存艦隊を連行し、私がボア星系に行くまで進駐軍として、ボア星系の監視をお願いします」
「堀川帝王様、ご指示に従い、進駐軍としてボア星系の監視を致します」
「準備に10日程掛かると思います、出来る限り早くボア星系に行きます、では連行して下さい」
連合艦隊が飛び去った後、100メートル級の残骸2隻を牽引して、ツーコッツ艦隊と共にオーコッツに帰還しました。
戦況はリアルタイムに届けられていて、地上では実況放送が巨大スクリーンで放映されたそうで、熱烈に歓迎されました。
休む間も無く、100メートル級戦艦の改造修理を行います、ドワーフ巨匠達が。
私は将軍と共に、オーコッツ星系住民に、戦勝報告です。
戦時報道官が指揮し、インタビュー映像が星系じゅうに流れました。
戦争より疲れました。コッツ将軍もぐったりして居ます。
戦勝祝賀パーティ、ドワーフ巨匠達が気の毒なので、ご馳走の差し入れを頼み、休憩の合間に食事出来るようにして貰いました。
適当なところで、会場を抜け、改造の進行具合、確認に向かいます。
パクリでも、100メートル巨大戦艦は魅力です。
強度と軽量化の為でしょう、巨大な直径5メートルキールにフレームは、直径3メートルのパイプを使用して居ましたが、軽くて強度の有るオーハルコンに替えれば、直径3メートルのキール、直径2メートルのフレームに替える事が出来、しかも従来の半分位の重量で仕上がります。
その為、改造作業はオーハルコン鉱石の砂漠で、行われて居ます。
作業はドワーフ全員の65人、警護にピシー隊長と20機のA型戦闘機が当たってくれ、急ピッチに組み立て改造が進んで、船体はほぼ完成しました。
縦横20層に重ねた結果、船体は紅く輝く物になってしまいました。
紅は良い、古来達人にしか持つことを許されない、朱塗りの槍や朱塗りの鞘の太刀、柔道の創始者も7段の時紅白の帯、8段から赤い帯をしめたと聞く。
彗星の奴も赤い機体だった、紅は良い。
翌日ツーコッツ軍港に並べていた、小型無人攻撃艦のスクラップ、30機分を輸送船3隻で運んで貰いました。
高さ0.7メートル幅1.5メートル、全長3メートル、ドワーフ1名にピクシー2名が搭乗員の小型戦艦に改造します。
嬉しい事に、スパナさんが2人の修理工を連れて、輸送船で帰って来てくれました。
輸送船には、他にツーコッツ工兵隊50人も乗っていて、改造の応援をツーコ副将に指示されたそうで、非常に助かります。
「スパナさん、良かったらオーコッツ工兵隊、隊長になって総指揮官を担ってくれませんか?」
「堀川帝王の仕事補佐は非常に面白い!!喜んで修理隊の親方になります」
後に、工兵大隊の大隊長になっても、スパナさんは「親方」と呼ばせて居ました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます