第10話 ツーコッツ星悲話

将軍達は、何がなんでも堀川侯爵を倒し、革命を成就させたかった。


決闘に置いて、明かな不正、新兵器自走アーマーを使ってでも勝利したかった。

しかし力及ばず、無様な敗者となった。



圧倒的強者に、敬意を表する事の出来る、武人としての潔さを持った人びと、ツーコッツ人はそう言う者達でした。



「覇者帝王様、ツーコッツ星の実情を、お知りに成るには、街に一歩出れば充分ご理解出来るかと」

「言いたい事は一杯あるが、取り合えず案内願おうか」

ペキと私は、競技場から出ました。

頭上には、1メートルの護衛機が飛び交い、常に辺りを警戒してくれています。


辺りには、辛うじてボロ布で体を覆った、殆ど裸同然の人達が行き来してる。

「息子さん、彼等はどういった人達なんですか?」

「俺はツーコ」

「失礼、ツーコさん」

「彼等は非番の軍人です、帝王様」

「私は迅です」

「ジン様、我等は衣服を購入する、金が無いのです」

「金欠ですか?軍備にお金掛け過ぎじゃ無いのですか」

「··········」



海岸に着きました。

「海は良いですね、潮風が心地好い、?あの大勢の人達は?」

「貝やザリカニを採集、食料品の調達です」

「貝は美味しいですよね」

「··········」



執務会議室で会談を始めます。


「ざっと見学させて貰っての感想ですが、住民の暮らしは非常に貧困ですね」

「そうね!何故こんな酷い暮らしなのですか?」


「·····堀川殿、マリーペキ王女、惚けて居るのか?それともバカにしてる?

我等は1コッツも軍事費に予算を貰って居ない!!

貝が旨い?ああやって必死に採集しないと、餓死者が出るんだ!!!

ボロ布でみっとも無い?年間たった1億コッツの支給金、2000万人の食料代にも成らん!!!衣服を購入したくとも、買えるはずが無い!!!

非生産的な軍隊に、予算なんて不用と、ツーコッツはずっと差別を受けて来た!!!!」


「父は、ツーコッツ星を普通に扱って貰いたい、住民に人並みの暮らしをさせたいと、クーデターを試みたのだ!!!」


「ジン様、そう言われると、偉いのは政治・経済のオーコッツ、次は生産のコーコッツ、何も産み出さない軍人は最低と、貴族院が言ってたのを聞いた事があるわ」


「将軍、ツーコさん、無知からの非礼な言葉、不愉快な思いをさせて、すまなかった」

「ツーコッツ星の予算、ご存知無かったとおっしゃるか?」


「弁解がましいが、私は異世界地球からの訪問者、ペキは政治に関わって居ない

だが、今は知ってしまった。

無知は許されても、威張れる事では無い!!!

行動を始める!!先ずは、将軍殿、ホットラインをコーコッツに繋いでくれ!!!」


ホットラインが繋がりました。

「私はオーコッツ帝王の堀川です」

「これはこれは、私めはコーコッツ農工大臣イノコと申します」


「イノコ大臣、緊急注文です、古着でも在庫処分でも構わんので、子供服女児用500万着、男児用500万着、成人女性用1500万着、成人男性用1500万着を予算1億コッツで至急ツーコッツ星まで輸送願いたい」


「4000万着を1億コッツで御座いますか·····キズ、難物含めての在庫で宜しいでしょうか?」

「構わん、何時届く」

「明日昼頃、お届け致します」


「其から、小麦粉と大豆を5000万コッツずつ、計1億コッツ分、ツーコッツ星まで届けてくれ」

「それでしたら、今日夕方にお届けできます」

「質は問わない、大量に欲しい」


「お請け賜りました、お支払は?」

「オーコッツに帰りしだい、私の口座から振り込む」

「御注文有り難う御座います、今後ともご贔屓にお願いします」




「将軍殿、パン工場にある在庫の小麦粉で、有りったけパンを焼くよう指示してくれ」

「小麦粉の在庫、どれくらい有る事やら」

将軍は指示のため、出かけて行きました。


「ピシー隊長」

「はい艦長」

「全隊員に、ツーコッツ星全土の自生食料品、調査するよう指示してくれ」


「自生食料品調査に向かいます、艦長窓を開けて下さい」


窓を開けてやると、勢い良く飛び立って行きました。


「ジン様!その宇宙魚雷、会話機能付きのAI搭載ですか?」

「残りの護衛は?」

「リンです」「ミンです」

「リン、ミン出てきて、ツーコさんに挨拶して」


ハッチから飛び出すピクシーに、目を丸くするツーコさんでした。

「な、何だ?この可愛い生き物は!!!」

「「ぷんぷん!ピクシー族だよ!!」」

「彼女達は、優秀な隊員ですよ、戦闘機は全て有人機です」

「凄い!!こんな小さな人が操縦してたのか!!」



暫く待つと、窓の外にC型機が

「艦長米らしき物発見!!」

B型機が

「艦長芋を発見!!」

「芋を食ってる、ミニ豚発見!!」


「採集品を確認に行く」

「ツーコさん、結構自生の食料あるみたいですよ!!」

「?貝のように、食べられる物が自生してる?」

「そうです、海中には豊富な魚介類に海草もあります·····海草は消化出来ないかな?」


「海に食える物があるのか?」

「畑を作って、芋を栽培する手もあります、住民を飢えさせない工夫幾らでも有る」

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