第9話 ツーコッツ星踏破

ツーコッツ星までの道程、寸暇を惜しんでの実戦訓練を実施しています。


ヤマトト母艦からの、戦闘機発進着艦の訓練です。

発進は全機順調です、着艦は格納庫、あっちこっち壊されました。

大量の、オーハルコン鉱石を積んで来たので、トン、テン、カンが達処に修理してくれます。


格納庫はユニット式4×6×10メートルの、巨大なワンルームです、破損はヤマトト本体に影響しません。


繰り返す訓練で、戦闘機乗りの技術は、目を見張る進歩を遂げました。

各機、攻撃の武器こそ搭載して居ませんが、心強い戦力です。


只、元々用意出来なかった、ピクシー達に習え右と、ドワーフ達まで真空スーツは動き辛いと、着てくれなくなってしまいました。

「我等のスーツは、愛機である!!」だそうです。



戦闘機はかなり酷い扱いでしたが、一切破損変型が無く安全な乗り物で、某モビルスーツと思えば、それも有りかと思われます。

急遽簡単な改造、操縦席をユニット式にし、緊急脱出ポットにしました。


立場上、日本では品質第1と言っていましたが、本当は何がなんでも、安全が第1なんです。

トン、テン、カンは超優秀です。





前方にツーコッツ星が大きく見え、ゴミのような点々がみえます。

ヤマトトを迎撃しようと、待ち構える防衛船団でしょう。



「ツーコッツ艦隊に告ぐ、総員真空スーツ着用をお勧めする、此方の攻撃で、宇宙空間に投げ出される恐れ有り」

「ツーコッツ皇帝である、迎撃艦隊は全て無人攻撃艦である、ピンクのふざけた戦艦には無人攻撃艦で充分であろう、ヤマトトの諸君、健闘をを祈る」


どこかの、総統のような奴だな、余裕かまして、吼え面かかせてやる。


「敵艦隊は無人艦隊との事、遠慮無く全艦撃沈せよ!!!」


「戦闘機全機発進!!」

「艦長、ドワーフ隊、隊長ドーフ、30機全機出撃します!!」

「カンチョ、ピクシー隊、隊長ピシー、20機全機出撃します!!」


無人攻撃挺30隻が、穴だらけのスクラップに変わるのに、10分かかりませんでした。



「戦闘機隊、全機帰艦せよ」


「ヤマトト発進!此より、押し通す」

ヤマトトは全方向蹴飛ばしバリア全開で、ツーコッツ艦隊の残骸の中を進みます。



ツーコッツ星は、青く輝く綺麗な衛星でした。

画像で良く見た、地球のような海と大陸がある、オーコッツ星より遥に住み良さそうに見える星でした。



ツーコッツ星軍事空港は、1面の戦艦で着陸不可能と思われます。

(随分ボロイ戦艦群だな、これで飛ぶのか?着陸妨害の為置いただけだろう)

強引に近くの競技場に着陸しました。

A型戦闘機を10機発進させ、辺りの警戒に充てます。



空港を封鎖すると、必然的にこの闘技場に着陸すると、読まれて居たようです。

待っていたように、皇帝と勝手に名乗る将軍が現れました。


「ヤマトトの諸君、先ずは無事の訪問歓迎する、無人艦隊が相手とは言え見事な戦いであった」

「将軍自らの歓迎、痛み入る、と言いたいが、拉致しているペキを返して貰おう」


「君には我が息子、皇太子と決闘してもらう、君が勝てばマリーペキ王女を連れて帰る邪魔はしない」


「どのような改造を施したかは知らぬが、宇宙魚雷の参戦は認めん、着陸静止させよ」

「良いだろう、A型戦闘機着陸静止!!」




「其では決闘始め!!」

「砂クジラを殺したそうだが、この自走アーマーは砂鯨より固いぞ」


やっと出て来た、決闘の相手はモビルスーツに乗り込んで居ます。


「ひ弱な、貴方がたには、この程度のハンディキャップはあげますよ」

「その大層な自信家が、無様に負ける様子を、マリーペキ王女に見て貰う」



「ジン様ぁ!!!」


見上げると、ペキが将軍の隣にいました。

「A型戦闘機発進ペキを護れ!!」


高速飛行でペキの両脇と頭上を5機が護ります。

蹴飛ばしバリアで何者も近付けません。



「これで気遣い無く戦えます、不格好な貴方、かかって来なさい」

「舐めるな!!!」

「バッチいから舐めませんよ」


強度が砂鯨基準です、破壊するのは簡単です。

怒りに襲い掛かる、自走アーマー、股間部の動力を殴り破壊しました。


自走アーマーは無様に崩れ落ちます。

「将軍、これで終わりか?戦闘機全機発進!!将軍を拘束せよ!!!」


ペキがかけ降りて来て、私に抱き付いて来ます、

「ペキ、怖い思いをさせて、すまなかった」

「ジン様が、必ず助けに来て下さると、信じて居りましたので、ちっとも怖くありませんでした」



「さて、将軍とその息子、今回の暴挙の弁明を聞こうか」

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