第8話 囚われのペキ王女
外向き連続蹴飛ばし飛行方は、想像を上回る速度で、オーコッツ惑星上空を駆け抜けます。
機関部にリンが常駐し、トン、テン、カン3人のドワーフとミン、メイ2人のピクシーは操作室に居ます。
「タイチョあそこにエンギルが居るよ」「タイチョこっちがデンギルの島」
「大将エンギル、デンギルは特殊な精霊だあね」
「戦艦に乗ってる時は、艦長と呼んでくれ」
「分かっただ、艦長」
エンギルデンギルって何だ?でんぐり返し?変な名だな。
「あれ?輸送船が3台オーコッツに降りて行く、大量に何輸送してる?」
オーコッツでは。
ヤマトトが発進し、しばらく騒いでいた見学者達が帰って行きました。
貴族達も殆ど帰りました。
一部貴族と、ヤマトトの素晴らしさを、父王に熱く語るペキ王女と、護衛が数人残って居るだけです。
ツーコッツ艦3隻が空港に着陸し、ロビーに駆け上がり、威嚇の発砲、驚き床に伏せる貴族達、ツーコッツ兵が駆け抜け、ペキ王女を拐いツーコッツ星に帰って行きました。
後には呆然自失の国王と、王女を護ろうとして負傷した、護衛が数人転がって居るだけでした。
何が起こったのか、理解出来ない位の、あっと言う間の出来事だったそうです。
試験飛行を無事終え、帰艦した私を迎えた国王の、しどろもどろの説明で、初めて知った事です。
「何がどうなったか、さっぱり分からん、余は何をするべきか?堀川殿?」
「ペキ王女が、ツーコッツ兵に拉致された。
先ずは、ツーコッツ皇帝に理由を問う事が先決かと」
「おうっそうじゃ!!緊急ホットライン·····堀川殿通話を頼めるか?」
「私が?然るべき担当者が居るのでは?」
「堀川侯爵に全権を託す!!」
緊急貴族議会で討議の結果だそうで、彼等の理解の範疇を越えた出来事に、対応の術が無く、英雄侯爵に丸投げって結論だった。
「分かりました、ホットラインを繋げて下さい」
相手は待ち構えていた様子、皇帝を名乗る将軍自ら通話応対して居るようです。
「ツーコッツ皇帝である」
「オーコッツで全権を任された、堀川侯爵です、ツーコッツ星の要求を聞きます」
「要求は無い。
ツーコッツは現時点をもって、オーコッツとコーコッツに対し、宣戦布告する。
10日後皇太子とマリーペキ王女の婚礼を行い、進軍する。
以上、交信を切る」
一方的に通達し、通信を切られ、思案する私。
「国王、ペキ王女とツーコッツ皇太子、婚約でもしてた?」
「申し出はあったが、軍人ごときに王女はやらんと、断った」
「ふん!私との婚約発表に、焦った行動か」
「軍事力の集中化、弊害が早速出て来たな、これを恐れてた」
「宣戦布告とは·····どうすれば良いのじゃ·····余は引退したいぞ·····そうじゃ!!!今から堀川殿が余の上位、帝王になれば良い!!」
「おいおい国王何を寝ぼけてる」
「貴族院のお歴々、今から堀川殿が全てを取り仕切る、帝王に就任した、宜しいな?」
「「「「「意義はありません!!!」」」」」
面倒事の押し付けについては、驚く程息の合った連中です。
「しょうが無い、ペキは絶対助ける!!!」
ツーコッツ星に殴り込みするには、戦闘機乗りが不足。
「リン、ミン、メイ、ドワーフ30人とピクシー20人緊急召集してくれ!!!」
「「「タイチョ了解!!」」」
ピクシー達が飛んで行きます。
「ルカぁ~~~」
「「大将何だ?」」
「おっ?イルとカル?砂イルカの仲間を呼んで、ドワーフ30人乗せて来てくれ!!」
「分かっただ!!行ってくる」
3時間後、集まったのはドワーフ45人ピクシー52人「住人全員来たのかよ!!」
「面白そうだから、全員来たがった、人選出来んかった」ドーフ村長、あんたが皆を煽ったんじゃないか?
「少ないより多い方が助かる、皆良く来てくれた」
「「「何すれば良いだか?」」」
「ここに有る、ABC型戦闘機を、全員乗りこなせるよう訓練する」
面白い事が大好きな妖精達、嬉々として戦闘機を乗りこなして居ます。
現れた砂鯨を、全機でプスプス刺し殺して、訓練終了です。
宇宙空間での、格納庫からの発進着艦が、少し心配だけど。
以前倒した砂鯨と今回の砂鯨の買取り、それに侯爵の手当金を合わせて、2億3千150万コッツ私の口座に入金されて居ます。
この世界で買い物未経験なので、どれ位凄い金額なのか、実感が沸きません。
急いでいたので、失念です、私の真空対応スーツは有りますが、ピクシーが着る極小スーツが有りません、ドワーフには幼児用スーツが30着何とか揃いました。
今回ピクシーの出撃無しに、ピクシー全員ブウ垂れていました。
真空スーツなんか要らない、マイクロ宇宙船AB型戦闘機がスーツみたいな物だよ。
ピクシー達が、何か言ってます。
「ヤマトト発進!!!」「ヤマトト発進します!!!」
AIホヤの復唱と共に、ツーコッツ星に向け発進します。
例の歌が、脳内に響きます。
でも、真っ赤なスカーフを振る人は居ませんでした。
見送りは、貴族院のジイサン方と国王だけですから。
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