第二章 旅立ち何か妖かい?
第5話 旅立ち
「ムーン決してお前を追い出す訳では無い!説明不足で勘違いしているようだが、昨夜も言った様に王鬼になった者の使命は、妖怪や半妖の儂らが安心して暮らせる国を建国する事だぞ!!」
「鬼以外に妖怪なんて居るの?」
「王鬼として諸国を漫遊する事で、妖怪が自然に集まって来る!集まる
王鬼には
皆が餞別として角を隠す硬質革の頭部防具に硬質革の胴着、路銀と換金用に大量の水晶を持たせてくれた。
「武器は町の武器屋で自分に合った物を買え、充分買える金額がその皮袋に入って
「取り合えず旅に出ます!皆さん今まで有り難う御座いました!」
「ムーンちゃん、辛くなったらいつでも帰っておいで!身体に気をつけて…王鬼は怪我病気に無縁だった…無理をしないで旅を楽しんでね」
「エレンさん…有り難う!行って来ます…」
母は私を産んで直ぐ亡くなった、山菜取りや山の利用法を教えてくれた父は3年前怪我がもとで他界、住む家はあるが村に思い入れは無い、独り暮らしになった私を気遣ってくれたエレンさんと別れる事のみが少し辛い、名残惜しいけど切りが無い、未練を断ち切り歩き始めた。
鬼になった私に二人の鬼戦鬼と走鬼も凄まじい脚力、1時間程で
生きて行くため村の子供達と遊んだ事は無い、今私は12歳、本当ならばこの年から実質見習い事が始まる。
「村を追放…年とかのタイミングが良かったのか……慌ただしくて実感がわかん」
「「えっ?ご主人様、何か命令ですか?」」
私が小声で呟いた事に、無言で着いて来た戦鬼と走鬼が反応する。
「そうだな…走鬼!この先の道がどうなって居るか、先行して調べて来い!」
「はっ!」
走鬼は小さく答え走って行った。
「戦鬼、兔か食べられる肉を狩って来い!」
「はっ!ご主人様!」
疲れてはいないが腰を下ろし、私は今後の事を考えていた。
⦅人と違った匂いがするお嬢さん……禍々しい気配のお供に命令してた貴女様は何者?⦆
「えっ?誰?何か言った?」
ボーっと考え事をしてた私に、囁く様な声が聞こえた気がして反射的に返事してた。
⦅お嬢さん!落ち着いて、下を見て!⦆
声がする方を向くと、私の小さな
「私は王鬼になったらしいムーン、あなたは妖怪?」
⦅儂はコロボックル族のプーク、王鬼様?引き寄せられるこの感覚は…伝説の王鬼様の様だの、……が……お……⦆
「え?終りの方声が小さくて聞き取れないよ」
⦅これでも大声出して居るんじゃが、王鬼様手に乗っけて下さらんか?大声出して疲れた⦆
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