第2話 死神のお仕事
「あー、管理長になんて謝ろう」
ムエは言い訳を必死に考えながらグリムの運転する車に乗っていた。
「言い訳したって無駄だろう、管理長は全て見通しているんだから」
「クレプス管理長だっけ?おっかないよな」
「流石〈黄昏〉の称号であるクレプスコロの名をハデス様より賜っただけのことはわる。あの扉を開けた瞬間からの威圧は凄まじかったよ」
グリムは興奮げに管理長の出立を語った。
「まじか、そんなん余計に怖いじゃんか!ってなんで知ってんの?俺たち今日管理長に会うの初めてだろ?よく見たら道も違うし」
「初勤務なのに遅刻するわけにいかないから僕一人で行ってきたよ」
「・・・裏切り者!俺だけ怒られるじゃんか!チームなら連帯責任でしょうよ!」
ムエは顔を真っ赤にして叫んだ。
「大丈夫だよ。幸いチームのどちらかの出席だけだったし他チームも代表で一人だけだったから」
「代表?一人?」
「君の頭はまだ寝てるのかい?辞令にもあったでしょ?」
ムエは辞令を取り出し読み始めた
「えーと、『チーム名セレーネはリーダーをグリム・リーパーとしディオス・デ・ラ・ムエルテと二人で人間の寿命の監視及び魂の先導を行うものとする』」
「ホントだ、グリムも出世したもんだな」
納得した面持ちでムエはシートに持たれた
「君も少しは出世に興味を持ったらどうだい?まぁその前に時間のルーズさを治さないとだけど」
グリムは溜息混じりに呟いた
「出世なんて興味ないし、大体人間の魂管理して次への手助けしてやるなんて意味ないっての」
そう言うと助手席の窓に向かって切ない眼差しをむけていた。
「もう着くよ今日の最初の仕事場だ」
「さてしっかり給料分働きますか」
そうしてグリムの運転する車は現場であるとある病院に着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます