死神の日常
@TZOE
第1話 死神の朝
死神・・・生命の死を司るとされる伝説上の神で世界各地に類似の伝説が存在する。冥府においては魂の管理者/人間を死に誘う、または人間に死ぬ気を起こさせる(Wikiより)
どの世界にも朝はある。
それは、死者がたどり着く冥府でも例外はない。
朝がくれば起きて支度をし、仕事に赴き夜になれば帰って休む。
そんな単純な毎日を過ごす一人の死神の話である。
現代社会は昔に比べ死者の数は減ったものの、病・事故・殺人と死して冥府に来る人間の数はあまり変わらない。
『ピピピ・・・』
アラームが鳴る
「・・・あと5分は寝れるな」
布団の中から青白い腕が伸びアラームを止めた
『ジリリリリ・・・』
今度は玄関のチャイムが鳴った
「おい!仕事だぞ!早く準備しろ!」
誰か迎えに来たのだろう玄関のドアの前から声が聞こえる
「起きないならまたドア壊すからな!3・2・」
「わかった!起きたから!」
アラームを止めた本人が布団から慌てて起き上がる
「グリム!起きたから!ドア直したばっかだから!」
どうやら前科があるようだ
「ムエ、僕もやりたくて壊すわけじゃないんだ、今度から鍵を渡してくれれば壊さなくて済む」
呆れた顔で鍵の空いたドアを開けてグリムが入ってきた。
彼の名は「グリム・リーパー」英語で「死神」を意味する。
「君はもっと時間を大切にしないと、今日から僕らは時の管理に配属されたんだから」
彼はそう言うとムエにバッヂを投げてよこした。
ムエとは「ムエルテ(ディオス・デ・ラ・ムエルテ)」スペイン語で「死神」を意味する。この話の主人公である。
「今日から時の管理か、、、人間たちの寿命の確認と魂の導きだっけ?」
「そうだよ。それに今日は初日だから管理長に面会しないといけない」
そう言うとグリムは椅子に座り持参した紅茶を飲み始めた。
「何時からだっけ?」
「11時だね」
「今は?」
「1分前」
「・・・」
「グリム!お前!何のんびり人の家でお茶飲んでんだよ!もう終わるぞ?遅刻どころじゃないよ?死なないけど殺されちゃうよ?」
「君が寝坊したのが悪いだろ?早く支度しなさい向かうから」
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