第33話 闘い終わってみれば

 サヨの肩に乗り、盗賊の洞窟に一走り、囚われの3女性を救出

「助けに来たよ!!」

 巨大なサヨに驚いた様子ですが、

「とうじょくは、やっつけちゃよ!あんちんちちぇ」

 縛られた縄をほどきながら、優しく私が話すと驚いた顔ながら、安心したようです。

 素直に3人の女性がついて来ます。

 盗賊どもに余程脅されたのか、全く言葉を話さない女性達。


 途中遅れて来た、カツ達に女性を背負わせ、領主舘を目指しました。

 3人の女性は、女達に任せれば問題無いでしょう。



 思いの他楽勝だったけど、一応細やかな戦勝の宴が開かれます。

 領主舘、初めての者が多く、珍しそうに眺めています。

 一階大広間は、100人以上入っても、まだまだ収容出来る広さです。


「「流石領主様!!お強い!!!儂ら必要無かった」」

「アネエサ様一人で人間ども討伐された!!!」

「「「「「魔神様に一層の忠誠を!!!」」」」」


 蜥蜴人の集団から、聴き逃せ無い称賛がチラホラ呟かれてる。

 見渡した蜥蜴人の中に、見馴れない全裸の人達が5人程居ます。


「あれっ?そこの3人?来て!!!」

「「「はっ!!!」」」

 180か190センチ、長身のイケメン兄ちゃんが3人、長く太い鱗の尻尾で蜥蜴人種と言う事は伺える?

 美青年のフリチン直視出来ないよ!!!

「お前達?偵察組のハヤテ、サスケ、サイゾウか?」

「「「はい!!!」」」

「鑑定の前にこれを着て!!」


 デカイパンツと半天を3人に渡しました。

 着方が分からない様子で、服を眺めてる。

「その穴に中から尻尾を通す、それから足を入れる、破ら無いよう優しく腰まで上げて、ずり落ち無いようその紐で縛る」

「上は、アニー、アリー、リゲタ着付け手伝ってあげて!」

「「「はい!アネエサ様!!」」」

 ハヤテ達の不器用な着方を見て、ウズウズしてたアニー達が、説明しながら着せて居ます。


 やっと凝視、鑑定が出来ます。

「貴方達、上位蜥蜴人変異種ハイリザードへんいしゅに進化しました」

「「「凄い!!進化した!!!」」」


「3人同じスキル、隠密、高速移動、身体強化、それに火水風魔法が使えるように成ります」

「「「領主様!!我らを親衛隊員に登用お願います!!!」」」

「親衛隊に入隊を許可する!タロウから指示を受けよ!!」


 タロウは、えっ俺?って顔をしてるよ。

「タロウが、変異種親衛隊の隊長だよ!!」

「そうか?オレはサヨが隊長と思ってたぞ?」

「サヨは私の側近で、親衛隊員じゃ無いよ」


 キラキラした目で見詰めてる、出来るだけ見ないようにしてた、いかつくてムサいムキムキおっさん2人、酋長ハジメと頭領ハチでしょう。

 もう半天大きな物無いよ、ムサイおっさんはパンイチで良いか。

「サスケ、サイゾウ!初仕事!!このパンツをハジメとハチに履かせてやって」

 サスケ、サイゾウは嫌がると思ったけど、嬉しそうに初仕事に向かって居ます。

 ニコニコ笑顔で、酋長ハジメと頭領ハチにパンツを履かせてる?

 あの二人、そっちのが有る?



 私が勝手に恐れていた盗賊団、冷静になってみれば孵化仕立ての蜥蜴人幼児リザードようじよりも弱かった、あの恐怖体験から僅か一月なのに、これってどう成ってるの?タロウ達3人に出会ったお蔭?考えてみると、配下にした蜥蜴人や豚人って無茶苦茶強者だよね、今更だけどタロウ達に釣られて私って凄い強者になってたの?

 現状に見合った方針変更が必要だね。




 盗賊団捕虜は、湖畔で野宿させて居ます。


 人語が普通に話せるサヨに指示を出します。

 サヨと質疑応答繰り返し、綿密に計画を立て実行に移します。



「このゴミ虫ども、整列!!」

 何事?と、意味も分からず元盗賊22人が、ゾロゾロ集合しています。

「ゴミ虫ども!!まともに集合も出来んのか!!罰として湖の周り回ってこい!!」

「「「「え~っ?」」」」

「貴様らゴミ虫は、はい!とイエスしか喋るな!!」

 素直に大工達は走り出します。

 納得行かない、数人が不平を言ってる。

「走るのが嫌なら泳げ!!」

 サヨは、ぶう垂れる5人を湖に投げ込みました。


 見事に、役に成りきったサヨの、鬼軍曹ぶりが発揮されていました。

 ふやけた、盗賊根性が矯正され、生まれ変わる事でしょう、生き残ればですが。

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