第23話 始祖種豚人

 いつもよりかなり遅い朝食を取り、しばらく休憩してサヨの変異種進化に向かいました。


 また全員付いて来そうなので、指示を出して置きます。


「タロウ達は残って、緑鬼達と豚人達が、いがみ合う事の無いよう作業分担させてね!!」

「同行は、サヨが安心して進化出来るメンバー、カツレツとヒヨフヨの4人!!」


「チャメ達も、せっかく仲間になった村人達が、仲良く暮らせるよう、私のお手伝い頼むね!!!」

「へ?!はい!!!お手伝い頑張る!!!」

 ちょっと不満そうな顔の皆が、笑顔に変わりました。


 いくら豚人キングになっても、LV1では能力が発揮出来ません。

 今回サヨの進化は私が補助をして、主目的はカツ達のLV上げです。

 豚人キング、クイーンのLVが上がると、どんな事が出来だすか、凄く楽しみです。

 恵の森に到着、「カツとレツ一組、ヒヨとフヨが一組で獲物を狩って!!」

 収納袋に改造した、革の袋をカツとヒヨに渡し。

「獲物はこの魔法の袋に収納して!!皆の武器も袋に入ってる物を使って!」


「「魔法の袋?これって、アネエサ様のポーチみたいに何でも入る?」」

「そうよ!何でも入る魔法の袋!!」

「袋に手を入れて、武器を出して!!」


「武器·····わっ!!!」

 思いの外、デカイこん棒が出てきて、驚いたようです。

 鉄棒が出来たら良かったのですが、何も無い村で、用意出来るのは丸太を削った、こん棒位です。


 カツ達は身長位のこん棒を、ブンブン振り回し確認し、森に入って行きました。

「サヨはこのナイフを持って!LV上げ始めるよ!!」

「はい!!!」


 一角熊をスタンで麻痺させ、サヨに留目を差すよう促します。

 初めて見る巨大な熊に恐る恐る近付き、サヨは首に力を込めてナイフを刺しました。


 サヨがナイフを引き抜くと、熊の首から血が吹き出てきて、ピクピク痙攣して、5分程で死んだようです。

 サヨに変化が起こります。

 130センチのサヨです、30センチ程身長が伸びる位では、それ程苦しく無いでしょう。


 予想に反し、サヨが苦しそうにします。

「痛い!!イタタタタァ!!!!」

 痛がり、モコモコ躍動するサヨの身体を、なす術も無く見守る事しか出来ませんでした。

 小さな私が近付くと、押し潰されそうな巨体になって行くサヨ。


 進化がやっと終ったようです。

 痛みにたえきれず、サヨは気絶して居ます。

 サヨは顔だけでも、私の肩から足までの、40センチ位有ります。

 身体全体は、2メートル位?私の身体程の顔でも、全体的には小顔に見えます。

 全裸の身体は、胸やお尻出る所は出て、腰のくびれは確りあるボンキュッボン、豚の尻尾も無く巨大以外は人間の女性、翔びっきり良いスタイルの美女です。


「あっ?」

 鑑定して驚きました。

始祖種豚人エンシェントオーク?エンシェントドラゴンなら有名(ラノベで)だけど、大元、始まりの豚人オークって?見た目豚人らしい所皆無だよ」

 創作以外の全ての魔法が使える、身体強化に縮地、使役に精神操作、それに魔法習得?、なんか色々凄い。


 サヨの苦しむ声を聞き付け、カツ達が集まって来て、サヨの姿に茫然として居ます。

「アネエサ様、サヨ、だよ、ね?」

「サヨは、皆みたいにキング、クイーンに成らず、エンシェントオークになったみたい」

「「「「エンシェントオーク!!!」」」」

「皆?何か知ってるの?」

「最長老のばっちゃんが言ってた!俺達豚人は元は人間だったって、始まりの豚人がエンシェントオークだって!!」

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