第22話 またこのパターン

 私達の快勝に、やっと落ち着きを取り戻した緑鬼達です。

 女性達は朝食作りを再開します。

 豚人達は腹を空かせている様子です。

「そうだ!!50本以上ある、カエル足の塩茹でを食わせてやる!」

「有り難いですが、御主人様の主様」

「私は、小鬼の村に蜥蜴人の村、ここ本村の領主をしておる」

「領主様、待たせて居る、女子供達を呼んでも宜しいですか?」

「全部で何人居る?」

「子供が10人、女が15人、老人が5人です」

「30頭も来るのか!」


 緑鬼達と一緒、また、このパターンか!

「豚人幼児は何人だ?」

「幼児2幼女3です」

「受け入れよう!」

「有り難う御座います!!直ぐ呼んで参ります!!!」

「呼ぶのは他の者を使え!」

「はっ!!おい!!ブッチャンお前皆を呼んでこい!!」


「ブウボス、受け入れる代償、幼児幼女5人の変異種進化を試す、良いか?」

「豚人を、進化させてもらえるのですか!!喜ばしい!是非お試し下さい!!」


 よし!!後は豚人幼児を見てから「おっ、連れて来た」


 幼児幼女5人が私の前に居ます。

 幼女の一人は、既に成長中と言った容姿で、豚人に近くなっていました。

 男児2人と女児2人は、人の子供と言われても、何ら違和感の無い容姿です。

 唯、よく見れば八重歯と見紛う牙が有り、鼻が気持ち上を向いてるかな?と言った程度で、クリクリ大きな瞳が可愛い。

「ブウボス!この4人で変異種進化を、これから試して見る」

 何か大急ぎ試さないと、急激に豚人化しそうな気がします、それこそ蜥蜴人みたいに。


「名前を授ける!君はカツ、君はレツ、あなたはヒヨで、あなたはフヨよ、覚えた?」

「ぼくはカツ」「ぼくはレツ」「わたしはヒヨ」「わたしはフヨ」


 他の豚人みたいに、食事させると成長しそう。

 可哀想だけど、食事は進化させてから。

「タロウ!変異種隊全員集合!!!」


 鬼変異種5人、緑鬼変異種9人、小竜人変異種4人、が集合しました。

「皆朝食前と思うが、この子達の強制進化の手助けを頼みたい!!」

「「「「「はい!!!」」」」」

「恵の森で獲物を捕まえ、この子達のLV上げを試みる!!出発!!!」

 私はこの状態なら、安全と思われるけど、念の為4人を守る様に進みます。

 可愛いと庇護欲が!!!


 恵の森に到着、少し奥に入ります。


 角のある熊を発見、威力の上がったスタンで麻痺させました。

「カツ!ナイフで熊の首を刺して!!」

 恐る恐る熊に近付き、暫くして決心が付いたのか、熊の首にナイフを突き立て、更に体重を掛けて押し込みました。


 流石に遥か格上の熊、1頭倒しただけで進化が始まり、カツが苦しみます。

 元々1メートル位の身長が1.6メートルになっただけで、他の種族より遥かに軽い痛みで終ったようです。

 顔は八重歯が少し目立つ他は、全くの人間です。

 頭髪は白銀、瞳は黒、お尻にある豚の尻尾のみが、豚人の名残です。

 鑑定では豚人オークキング変異種になって居ました。


 タロウ達が次の獲物、2メートルのダチョウの様な鳥を引きずって来ました。


 鳥は瀕死の状態です、大急ぎヒヨに刺させました。

 引き続き、ヒヨに進化の兆候が、身体からメキメキ音が出始め、ヒヨが少し苦しそうにして居ます。


 ヒヨも1.6メートル、綺麗な白銀の頭髪に黒い瞳、八重歯は無く、お尻に可愛い尻尾、胸もAカップ位は膨らんで居ます。

 鑑定では、豚人オーククイーン変異種となりました。


 チャメ達とアリタ達が、猪を3頭引きずって来ました。

 レツとフヨに留目を差させます。

 残りの1頭は二人同時に、ナイフを刺しました。


 二人もそれぞれ、キングとクイーンに進化しました。

 心配だった容姿は、4人共美男美女、全く人間と変わりません。

 小さいサイズが無くなったので、4人には、デカパンとデカイ半天を着せました。

 デカイ半天は前を合わせ、革紐で腰部を縛ると、格好良くなりました。

 変異種女性唯一の膨らみ、Aカップとは言え膨らんだ胸も隠せます。


 オークキングって豚人の最強最終形体じゃなかったかな?


 ま、私が命名して進化すると、人化が発生する事は確実になりました。

 一人残した、豚人化が進んで居る幼女、あの子に命名して進化すると、どれ位人化するか試してみたい。


 村に帰ると、緑鬼達と豚人達の生息圏が完全に別れて居ました。

 緑鬼達にとっては、まだ豚人達は恐ろしい存在でしょう、村の最強勢力が全員不在状態では、しょうのない反応ではあります。


 ブウボスが、豚人変異種のカツ達を見た反応は、蜥蜴人と同じで同族とは思って居ないようでした。


 変異種は全員私の側近にします。

 一人残された幼女が、寂しそうに此方を見ています。

 いくら豚人化が進んで居ても、姉妹の様に育ったヒヨやフヨから引き離された気持ちでしょう、可哀想な事をしてしまった。


 手招きを幼女にしました。

「名前を授けるからこっちに来て!」

 一声かけただけで、幼女の表情が一変、笑顔でやって来ました。

 近くに来ると、長身で既に130センチは有りそうです。

「あなたの名前は、サヨよ」

「わたしのなまえは、サヨ!!」

 笑顔で嬉しそうに自分の名前を言っています。

 見た目とは違い、話し方もですが、本当に幼子だったようです。


「お待たせサヨちゃん、ご飯を食べて後皆と出かけて、サヨちゃんは変異種進化頑張ろうね」

「はい!!!」

 豚人に見えても、幼女の笑顔は可愛いよ。


 緑鬼達も、勿論豚人達も誰も朝食食べて居ません。

 緑鬼達は脅威を感じ、食事する余裕が無かった、豚人達は食事の用意が無く、無いものは食べられない。


 お手伝い少女隊達が、10個の土鍋でカエル足のぶつ切りを、塩茹でにしています。


 しょうが無い事ですが、緑鬼達が一塊、豚人達が一塊、かなり離れて座って居ます。私達23人とサヨちゃんが中間で、別々の朝食になりました。


 カエル足の塩茹では、豚人達に凄く好評でした。

 盛んに旨いと言って食って居ました。

 中間に位置する私達は、両方の塊を行き来して、食事しています。

 勇気を出して、カエル足を1切れ食べてみました、「あれ?これは、え~と、あっ!ササミ!!結構美味しい!」

「これからは毛嫌いせず、カエルも食材として狩る、タロウ達が」

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