第17話 変異種

 あっ私普通に歩け出した、ヨチヨチじゃなく・・・せこぉ!!私の名前ってその程度の働き?



 皆がワッと、集まって来るかと思って居たけど、遠巻きに眺めているだけです。

「アネエシャしゃま、お土産は?」と、集まって歓迎してくれた?のは、お手伝い幼児隊のメンバー8人のみです。


「チャメ、何かあった?」

「ん?何も無かったよ」

「皆は何で眺めてる?」

「角の生えた人間が恐いのよ」

「角の?へ?タロウ達の事?」

「この3人、女神様と中ボス?うそでしょ!!」

「チャメみたいに、進化して鬼になったの」

おーがと全然違うよ」

「えっ?」


 チャメに指摘され、迂闊にも初めて気付きました。

 タロウ達にも鬼変異種と付いていることに。



「皆ぁ~っ安心してぇ~、私みたく進化した女神様達だってぇ~!!」


「なにぃ~っ!!女神様?おぅ!!一段と女神様になられて!!!」

「中ボス様方も、流石アネエサ様に命名された方々!!!」

「ゴブボス!村に変わりは無いですか?」

「はっ!!アネエサ様、変わりは在りません!!芋畑を増やして置きました」


 増設された、芋畑に案内されました。

 タロウ達とチャメだけで無く、お手伝い幼児隊がゾロゾロついて来ます。


「これ程の畑、水やりが大変でしょう?」

「へっ?水、やり?ですか?」

 芋蔓植えただけみたい、植っぱなしで運良く実ったら収穫?

 中には、枯れ掛けてるのもあります。

 いくら雑草並みに強い芋でも、これは無いよ!!


 広範囲に雨が降るイメージで、水魔法発動しました。

 お手伝い幼児隊から歓声が上がります。

 むふっ可愛い!!


「雨の日以外、毎日の水やりで、驚きの収穫になるよ」

 理解出来てないゴブボスは、茫然としています。

「魚取りしてる川から、手分けして水汲み、畑の水撒きを毎日するように!!」

「はっ!アネエサ様の指示に従います」

「面倒かも知れないけど、騙されたと思ってやって見て!労力以上に報われるから」



 畑作りに感心したけど、肥料どころか水やりもしないって、緑鬼の人認定再考かな?

 まみれつく可愛い幼児達が、醜い緑鬼に成長するのって、ちょっと私的に耐えられないよ。


「お手伝い幼児隊の皆!これから一人ずつ名前を付けるよ!!」

「「「「「わ~い!!チャメみたいになれりゅ!!!」」」」」

 幼女5人に幼児3人、それぞれに思い付きですが命名しました。


 銘々名前を覚える為、ぶつぶつ言ってます。

「わたちは、チャイ、わたちは、チャイ」

「違うよ、チャイはこの子で、あなたはシャイ」

「ん、ん?ちゃいって言ってりゅよ」

「あぁシャイね!まだシャイって言えないのか!」


 幼児3人に、チャイ、チョイ、チョロって名前を付けて居ます。

 幼女5人は、チョキ、シャイ、シャキ、シャメ、ショキ、と付けましたが、言えないようでシャイはチャイ、シャキはチャキ、シャメはチャメ、ショキはチョキって言ってる、本人はまともに言ってるつもりだから良いか!進化したら、普通に名乗れるでしょう。




 広場に帰ると、ポーチから出して置いた、土産の品々を皆が手にとって眺めて居ました。

「皆!その竹の籠と鞋は小鬼の村の作品で、お米、その粒々と土器は蜥蜴人の村の作品、この村からは芋と干物干し肉を出荷!此から物々交換の市を開く準備をします」


「ぶつぶつ交換?」「不平言って交換じゃ無いよ」

「物々交換は、物と物を公平な価値で交換する事よ!!」


 ついでに私が、緑鬼の村と蜥蜴人の村と小鬼の村を、取り仕切る領主になった事も話して置きます。


 と言う事で、芋の収穫を目処に、市を開く事になりました。




 お手伝い幼児隊の進化の為、猟に出掛けます。

 私がチョキとシャイ、タロウがチャイとチョイ、ジロウがチョロとシャキ、ハナがシャメとショキを担当しての猟で、幼児達に留目を刺させ進化させるのが目標です。

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