第15話 家内製手工業の村
岩塩を使った焼き肉や煮物を、小鬼女性達に手伝って貰い大量に作りました。
岩塩は、近くの丘にある事は知って居たようですが、危険を犯してまで手に入れる物では無いと思われて居たようで、宴会が始まって美味しさに大騒ぎになりました。
食べた事の無い美味な食事、餌付けは大切です。
お陰で宴会が終わり、作業指導は協力的で楽でした。
後片付けも終わり、小鬼達に話します。
「手先の器用さを生かし、私の為に働いて貰う!!」
「私達で、お役に経てる事ならば、是非やらせて下され!!!」
と言う事で、小鬼達全員に集まって貰い、蜥蜴人酋長から譲り受けた、大量のワラ(加工用にワラ打ち済)を取り出します。
手先が特に器用な小鬼を村長に選ばせ、10人の女性達に
小鬼女性は素朴で器用、直ぐに覚えてくれました。
タロウ達3人は別グループで、力の要る木の皮で編む、バスケット、背負い
途中豊富な竹材に気付き、素材を竹に変える事にしました。
遜色の無い出来映えに満足して、村民を解散させました。
小鬼の住居は竹製です、ちょっと立派な建物、故村長の家へ、一夜の宿と案内されました。
夜明と共に活動です。
昨夜宴会食の残りで、軽く朝食を取った後、村民全員集合させました。
昨夜の成果を確認後、次の指導に入ります。
「ここからは重要なお話です!」
鞋や背負い籠が編める様になった、これ以上何の話?と小鬼達皆が注目して居ます。
「量産!沢山効率的に作る方法です!!!」
鞋本体、背負い籠本体を作る人、背負い紐、鼻緒の縄を
将来的に緑鬼の芋、蜥蜴人の米やワラ等との物々交換の市を開く構想を、補足説明して置きます。
簡単な事ですが、村長が凄く感心して「領主様は、幼く見えますが、何処でこのような知識を得られたのですか?」と、困った質問をして来ました。
タロウが「村長!!アネエサ様は、見てくれの年齢では無いぞ!!おそらく村長よりも歳上、我々直参配下にも詳しくは仰らん、秘密だ!!」
村長は地に額を擦り付けて謝っています、「恐れ多いこと!出過ぎた発言お許し下さい!!!」
私は手を振って「発言は気にするな」位しか言えません。
(近い内に3人には、本当の話をして置こう)
ついでに、其ほど器用で無い者の仕事、丸太と太い枝を風で加工して、荒削りの大量のお椀皿コップを作り、それをコリコリ削って完成品にする作業者を、育成します。
全員を何らかの作業者として、組み込みました。
立ち去る前に、食生活の改善案、小鬼の村には鍋が無い、蜥蜴人が苦心して作った貴重な土鍋を譲る訳には行きません。
包み蒸し焼きはやってたそうで、指導は美味しい調理方ですね。
肉、芋等塩を振り葉っぱで包み蒸し焼きに、炊飯は竹筒炊飯を指導して置きました。
竹の香りがほんのりして、結構美味しいご飯が炊ける、大量に竹を貰いました。
一応小鬼達の救い主にして、領主様です、村民総出の見送りを受けました。
岩塩採掘の為の探索が、予想外の成果を得て帰路につきます。
蜥蜴人の村に寄り、小鬼達の木製食器や籠等、製品サンプルとして酋長に渡して置きました。
「おうっ!これは珍しい!!土器より軽くて、こんな物が有ったのか!!」
「蜥蜴人の米やワラとかと、物々交換すれば手に入る、言葉の関係で、最初は私が取り仕切ります」
そうなんだよね!相互理解の為の言葉が種族ごとにバラバラで、意思疏通出来ない状態、何とかするのが急務だよね。
共通語は、やっぱ人間の言葉が望ましいが、「わたちが、まちょもにはなちぇない」どうするか?
折角の土鍋で、お粥みたいな物しか作れない、繊細でない蜥蜴人達に竹筒炊飯を指導します。
ほんのり塩味に竹の香り、蜥蜴人達を夢中にさせました。
「大酋長!!参った!!!ワラの実がこんなに旨かったとは!!!」
「土鍋でも、水の分量に気を付ければ、ご飯は炊けるよ」
「何と!!!水はどれ位入れれば良いのじゃ?」
「女性集合!!土鍋炊飯を指導します!!!」
一合とか二合とか分量は関係在りません。
お米を研いで土鍋に入れる、お米の量に拘わらず、土鍋に入れる水は、お米から指の第二関節です。
私の指で無く大人の指で、です。
多少多い水は、吹き溢れるので問題在りません。
重い蓋の土鍋ですから、始めチョロチョロとか繊細な火加減は不要です、どうせ出来ないでしょう。
糊上の吹き溢れが、パリパリに焦げた感じになれば、炊飯終了です。
後は釜戸の火を取り除き、ご飯が蒸れるのを待ちます。
生煮えで芯がある失敗は、水を足してお粥にでもして下さい。
炊き過ぎて、焦げ焦げ飯になっても、お焦げ飯は意外に美味しいですよ。
美味しいご飯の事を話すと、1日では足りません、もっと調理方が知りたいとの要望が有りますが、適当に切り上げて帰路につきます。だって緑鬼幼児達が土産話を待ってる!
引き留める酋長に、ちょっとしたアイデア、日干しレンガで炉を作り、レンガの製造構想、地面に略画を描きながら説明で、もっと引き留められる事になって仕舞いました。
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