第10話 配下達

 20匹の緑鬼達、結局居着いてしまいました。


「「姐さん!!何か凄え事に成ってるぞ!!」」


「あれっ?何か緑鬼ゴブリンふえてる!50匹程居るよ」

「おい!お前達何処から涌き出た!!」

「大ボス様!新参ですが、宜しくお願いします」

「だから、何でここに居る!!」

豚人オークに、オラ達の村が襲われ、ボスと逃げ出しましただ」

「オラ達、近くに隠れて居ただ」


 緑鬼達は、豚人に襲撃され、命からがら逃げ出して、流れ流れてこの地にやって来たそうです。

 ボス(ゴブボス)の統率の本、食べ物が豊富そうな、この地を手に入れようとして、返り討ちに会ったとの事。


 新参の30匹は女や子供年老いた者が殆どで、安全な場所に待機させて居たそうです。

 子供は分かりますが、困った事に緑鬼の女や老人は見分け出来ません、私には皆同じに見えます。



 ゴブボスや敗北者緑鬼達の態度を見て、群のカーストが成立したようです。

 ハナは女神様、タロウとジロウは中ボス、群の支配者大ボス様が私らしい。


 緑鬼達は、銘々固まって、所在なくしてます。

(面倒くせぇ!指示待ちかよ、考えて動けよ)

「ゴブボス来い!!」

「大ボス様!御用で?」

 細ったダガーを、ゴブボスに渡します。

「これを遣る、お前の武器にしろ」

「えっ?こんな立派な物、宜しいのですか?」

「自由に使え、緑鬼10匹程の手練れを引き連れ、ウサギを狩ってこい!!部下にはこれを配ってやれ」

 折れた剣を全て出しました。


 緑鬼達が、群がりました。

 こん棒じゃない、自分の武器が手に入る!種族を問わず武器にはロマンが有るようで、目を輝かせ、緑鬼達選んで居ます。

 折れた剣は意外に沢山あった様で、30匹に行き渡りました。

「あれっ?・・・女性と年長の子供も混じってたのか」

「タロウ、ジロウ、銘々5匹程引き連れて、ウサギか何か食べれる獲物を狩って来て!」

「人数増えたからな、頑張って来る!!」


「ハナ、女と子供連れて、魚とカニ捕って来て!」

「姉様!任せて!行ってくる!!」

 ハナは、袋をいっぱい持って、大勢引き連れて行きました。


 大切に使ってた岩塩が、大人数の料理で一気に無くなりそう。

 残って居る、緑鬼ゴブリンの老人に、一縷の望みで聞いてみます。


「貴方達、こんなのが有る所知らない?」

「おぅ、岩塩ですじゃ」

「そう!岩塩何処かに無い?」

「「有りますじゃ!知ってますじゃ!!」」

「有るの?場所知ってるの?近い?」

「知っては居りますが、沢山の獣が舐めに来る、危険な場所ですじゃ!」

「獣は狩って食糧にする!!場所を教えて!!!」

「舐めると、元気が出るじゃが、命懸けで取りに行く程の物かのぅ?」

「大ボス様は、大層お強い、問題無いじゃろう!

 この方向に歩いて、一日と半分位の所じゃが、途中に蜥蜴人リザードの集落が有るじゃ、岩塩の丘の先に、小鬼の村があったのぅ」


 小鬼の村って、タロウ達が住んでた所かも、なら岩塩の事ハナに聞いたら、知ってたかな?

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