第7話 小鬼達の魔法

 タロウだけが魔法を使えない。

「タロウ、自分だけ魔法が使えないって悔しいでしょう、腹も立つでしょう」

「·····うん」

「触るよ!ここが熱くなって来ない?」

「姐さんが触ると熱く感じる!!」

「この熱いのを、すーっとここ心臓に上げて、すーっと右腕を通して右手人指し指から、こう火をボッ!!」

 人指し指から、炎を出して見せます。

「炎をボッ」

 集中して見ていて、釣られたのか、タロウの指から小さな炎がゆらゆら立ち上って居ました。

 思わずタロウを抱き締めて

「タロウ!火魔法出来てる!!やったね!!!」

「あっあ·····、ありがとう」

「良かったね、出来てしまえば簡単だったでしょ?」

「う、うん·····」

 タロウ照れ臭そう、顔を赤らめてる。


 タロウが火魔法を使った!!

 見ていた、ジロウとハナにやる気の火がついた!!

 右と左にあえて分けたのが正解でした。

 右手からは火が出るって思い込み、ハナもジロウも火魔法が使え出します。

 タロウも、火魔法が使え出した自信からか、左手の風魔法が使えるようになりました。


「皆頑張ったね!後は、何度も繰り返して使ってると、LVが上がり強力な魔法が使えるように成るよ」

「姐さん、LVてぇのが上がったの、どうすりゃ分かる?」

「あっそうか·····自分の状態がしりたいと願いながら「ステイタスオープン」って言ってごらん」

「ん?すていたすおーぷん·····わっ何か見える!!」

「出たようね、読んでみて」

「何かあるけど、読めねぇ字を知らねぇから」

「そう?文字の勉強頑張ろうね」

 って言ったけど、平仮名しか教えられないよ。

 漢字にカタカナローマ字とか、覚えきれないだろうね。

 小鬼達に文字は無いようだから、平仮名を小鬼達の文字って事にすれば良いかな?


 取り合えずステイタスが読めれば良いか?

 地面に、小鬼族男タロウLV5、生命力と書いて行きました。

「皆集まって」

「ここにタロウのステイタスを書きました」

「「似たのが、書いてある!!」」

「これがタロウと書いた文字」

 地面にジロウとハナと書いて

「これがジロウ、これがハナと言う意味の文字」

「私の名前はこう書くのか!」

「タロウとジロウはLV5となってる、ハナはLV4と書いてあるはず」

「「「うん!!」」」

「次の段に「魔法」って文字があるね、これをまほうって読みます」

「「「まほう」」」

「魔法の横は火LV1となってるはず·····」


 と言った感じで、教えて行きます。

 文字は順に覚えて行けば良い、取り合えずステイタスが読めて、意味が分かれば良しとしました。


「一番下に「スキル」ってのが書いてあるでしょ?皆は習得出来て居ないので、□□って見える?」

「「「何も無いよ?」」」

「そう?あっそうか、私は詳細監察で見たから見えたのか!」

「聞いて!タロウは防御と身体強化がスキルの所に見えるの、目標にして訓練頑張ろうね!」

「俺、そんなすげぇスキル持てるのか!!!」

「ジロウは、剣術と縮地ってスキルが見える、縮地ってのは瞬間移動みたいに、敵に近付く事が出来るの!」

「す、凄い!!!」

「ハナは、治癒と従魔、ハナだけ皆と違い光魔法も覚える事が出来るの、傷とかの治療が出来て、魔物を仲魔に出来るようになるのよ」

「えっ?そんな事が出来るの?私」

「頑張って、スキル習得出来たらだけど」

「「「頑張る!!!」」」

「俺達、不可能と言われてた、魔法を覚えた!スキルも頑張る!!」


 それからは、暇が出来ると3人はスキル習得に励んで居ます。

 タロウに軽く攻撃し受ける訓練を、ジロウには鐘巻流抜刀術の形(前剣足、後剣足から)を指導して剣術のスキル習得をはかります。

 私子供の頃、近所のお爺ちゃんに、古武道を習っていました。

 お爺ちゃんは、鐘巻流の宗家って話で、凄い人に教えて貰ってたようです。

 ハナには光魔法の基礎から指導して居ます。

 私には創造魔法があるので、光魔法を応用した魔法が作れます。

「果てしなき旅路」みたいに銅貨を光らせる事も、日光を掴む事も出来ます。

 何でも、ハナが出来そうな事を試して居ます。


 ハナは、光魔法の浄化を覚えました。

 見ると知力が110になってる、魔力も150に!!繰り返し魔法を使うと、成長がいちじるしいね。


 皆火と風がLV3になって止まって居るよう、次の高威力魔法を指導しています。

 まだ、スキルは3人とも現れていません。

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