第3話 逃げろ
夜泣きが五月蝿くて逃亡してたお陰で、私だけ生き延びました。
殺された赤ちゃん達は可哀想だけど、明日は我が身保身に励むよ。
亡くなった2人分のオッパイは、私だけの物、でもそんなに飲めないよ。
しかぁし、いつ私も叩き潰されるか分かったもんじゃない、無理矢理にでも飲んで早く歩けるよう、大きくならなくちゃ!!!
オッパイ腫るようで、3人の女は頻繁に授乳に来ます。
亡くなった子の代替えでしょう、私に授乳する事によって、精神の安定を謀って居るよう。本当の所は解りませんが。
逃げ出せるようになるまでは、せめて女達に育児放棄されないよう、愛くるしい赤子を演じる事にします。
「げふぅ~~」
が、頑張って飲むぞぅ~。
「グッウ」も、もう無理ぃ。
女達の不平ながらの雑談で、私を取り巻く状況が、しだいに判明して行きました。
些細な事でも情報は、私の生死を分ける大切なもの、眠気を我慢して集中です。
10人程の女達は、炊事洗濯性処理の為、拐われて来て奴隷にされた不運な女達、粗野な50人程の男達は盗賊団だそうで、男達に休む暇無く犯され続け、健康な女性なら当然妊娠します。
私達は、こうして産まれたようです。
奴隷は物扱いで、奴隷が産んだ子供も物でしか無く、赤子は泣くのが仕事なのに、泣き声が五月蝿いと叩き潰される、私達はその程度の存在って事。
妊娠してお腹が目立つ女が居るけど、お構いなしで頻繁に性処理させられてる、流産死産が普通で、私が無事に産まれたのは不思議な位希な事だったようだよ、それも殆ど同時期に3人も無事に産まれたのは奇跡的な珍事だったとか。
難産で母体も死亡とか、産後の肥立ちとかって無い、この世界の女性はしんじられない位頑丈みたいです。
私を産んだ女は一番人気美女で、頻繁に男達に連れて行かれます、胎児の時私って精液まみれ? 臨月の時なんて、頭を常に突かれて居たことでしょう。
本当によくも満足な身体で産まれる事が出来たものです。
(あぁ~最悪だよぉ)
私を産んだ女は美女で、授乳の最中でも、オシメの交換中でも頻繁に引っ張られて行く。
その時の盗賊どもの、私を見る目が恐ろしいょ!!
邪魔なゴミでも見るような目、もっと恐ろしいのは、私の股間を凝視して
うかうかしてるとマジヤバイよ、なんとか逃げなくちゃ!!
珍しく私一人になってる。
(あっ! そうだ!! 余裕も何も無かったもんで、肝心のあれ試してなかった!!)
「うえいあうお~うう(ステイタスオープン)」
(出たぁ!! よだれも出た・・・)
赤ちゃんだもん、色々締まりが無いのはしょうがないでしょ。
人族女 名無し LV1
生命力10 魔力100 体力3 攻撃力2 知力1000
魔法 火LV0 水LV0 風LV0 土LV0 光LV0 創作LV0
スキル 身体強化 ステルス 会話 詳細観察
あれれっ?
私って凄くない?
赤ちゃんだから、体力攻撃力が無いのは当然だけど、知力1000って凄くない? 流石元偏差値70超えの天才少女!!
天才美少女って言う程、厚かましくは無いよわたし。
魔法は・・・オールLV0・・・独自の魔法ツクールのLV0だけど創作魔法まである。
魔法全種類の潜在能力が在るって事よね?
それより身体強化! 新生児のはずの私が、はいはいで移動出来るのって、身体強化が有ったからでしょ?
魔力100は身体強化で使ったから増えたんだよね?
ステルスは、見つからないよう身を潜めたから?
会話は、話してる事全て理解できる、今は聞き取りのみだけど。
詳細観察は、頑張れば鑑定に進化しないかな。
身を守る為に、取り合えず寝ていても出来る事から、地道に始めよう!!
身体強化で鍛えても、元の体力が貧弱過ぎる·····身体強化で無理矢理歩行出来ても将来絶対がに股になっちゃう、やっぱ今やれるのは魔法だよね。
魔力100もあるんだから、魔法の練習するべきだよ。
火は狭い洞窟内じゃ危険、水はオシメ漏れ間違われる、ビチョビチョになるのは気持ち悪いし、うん風が無難だね!
魔法はイメージが大切って、ラノベ小説の殆どに書かれてたっけ。
(右手掌から、扇風機弱の風出ろ!!)
・・・そんな上手くは行かないよね。
いや違う! イメージが貧弱だったのよ!! だって扇風機の弱スイッチ押してない・・・「ポチッ」とな。
(やったぁ!! えへへっ風LV1風魔法ゲットだよ)
次は強風よ。
(扇風機、強のスイッチ、ポチッとな)
あれ? どう言う事? 何で強風出来ない?
・・・ん・・・あぁそうか! 風のLV上げないと、威力は出ないか。
弱風を30回繰り返す事で、無事LV2になりました。
風で攻撃が出来るにはまだ弱いよね。
それからは一人になった時にはずっと、風のLV上げに
人が居る時には、詳細観察を頑張っています、詳細観察って結構使える、物や人の状態が良く分かる、まるで鑑定みたい。
それからはいはい探索で、不用品物置の隅、安全に眠れる場所をみつけました。
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