第6話

 夏休みの再来か、というくらいのハロウィンの喧騒。それも束の間、いよいよ街にはクリスマスカラーがお目見えしてくる。湯川は絵画修復と個展の準備、登偉はバーでのバイトとピアノのレッスンに専念した。2人はなんとかスケジュールをやりくりし、登偉のバイトの休みの前日に湯川の部屋に泊まって一緒に時間を過ごした。

「あー、店が忙しくなります……。」

 登偉は湯川に腕枕をされながらつぶやいた。2人は抱き合ったあと、裸のままでベッドに潜っていた。

「そういう時期だよな。イルミネーションも始まったし、ここからバレンタインまでは忙しそう」

「年末年始が休みだから、まだ救われますけど……」

 登偉は湯川の脇の下に顔をうずめる。

「曽我部が一時帰国するらしいから、しばらくウチに来ない方がいいぞ」

「オレにもメール来ました。忙しいから会えないって返しましたけど」

 登偉がそう言うと、湯川は両腕を登偉にまわして、髪にキスをした。

「だってホントのことだし」

「まぁな」

 登偉も両腕を湯川の背中に回した。

「次に会う時は、オレの個展の時だな。案内が出来たら送るよ」

 登偉は返事をするかわりに湯川の胸に顔をうずめた。

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