第二部 異宇宙上洛
第27話「群雄が割拠する戦国異宇宙」
間寺星で勃発した事件、そして究極暗黒武将出現、の報は瞬く間に全銀河を駆け巡った。その速度たるや光速とどっこいどっこい。余りにも早すぎるので行き過ぎてしまい、あとからちょこっとだけ戻って微調整するとか、明後日の方向に行ったまま帰ってこないなどの情報のオーバーランが多発した。
更に、この手の話につきものの「よくわかってねえ癖に感情優先の当たり障りのない分析を繰り返すコメンテーター」、「そして目先の情報と字面だけで脊髄反射のお気持ち表明を繰り出す善良な人々」のせいで、あることないこと、ねじ曲がった情報として銀河中に拡散していったのである。
こうなってしまうともう歯止めが効かない。この機に乗じて天下統一を目論む銀河中の宇宙大名、その他諸々の勢力が挙って名乗りを上げ、あっちこっちで次々と挙兵。
異宇宙戦国時代の到来である。
銀河の中心に位置するという
――――――――――――――
「……で、どうしたらいいの?」
ユミーコは久しぶりに口を開いた。
途方に暮れるとはまさにこのことである。空前絶後の規模で発生した間寺フェスによってすっかり荒れ果ててしまった間寺星。あらゆるゴミと残骸が散乱し、間寺星の農民や宇宙忍者たちが泣きながら後片付けをしていた。
「無論、AEマサムーシを追わなければならない。我が分身と言えども……いいや、我が分身だからこそ私自身が決着をつけなければならないのだ。協力してくれるな?」
PJマサムーシはとても真っ直ぐな瞳でユミーコを見つめた。まるで水ようかんのようにぷるぷるで、潤った瞳……美しいし、美味しそうなそのてらてらとした質感に、ユミーコはやっぱりメロメロになってしまった。
「PJマサムーシさま……はい喜んで!」
しかし追うにしても先の戦乱で、足になりそうな宇宙船は全てぶっ壊れてしまっている。とにもかくにも、先ずは宇宙船を作るところから始めなければ。
ユミーコは家や財産を失って大いに気落ちしている間寺星人たちにぱっと振り返ると、大仰に手を振って、有無を言わさず号令をかける。
「話は聞いていたわね!さあ、急いで宇宙船になりそうな材料を拾い集めてくるのよ!いいこと?はい、すぐに始めなさいな!」
「ええ~~……」ベチン!
あからさまに不服そうな顔をした農民たちに対し、ユミーコは一番手近に居た初老の間寺星人にビンタをくれてやった。老若男女どんとこいビンタである。
そういう訳で、合戦で荒れに荒れ、その傷や疲れも癒えぬまま、間寺星人たちユミーコたちの為に一役買うことを強いられるのであった。主人公なら何をやっても許されてしまうのだ。
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