交流会

 大陸本土にある学園都市所属の学校の生徒たちが運動や文化で交流する会が、この年はミドルマーチにある学校で行われることになった。

むしゃむしゃ

「いやあ、わたあめってはじめて食べたけどおいしいねえ」

「ふふふ、マルタちゃん楽しそう」

 出店でわたあめを買って、キャッキャッとしているマルタとキキョウ。このようにお祭りの出店のようなモノや、見世物イベントがあるのが交流会である。

「あ、あすこに人だかりが出来てるよ」

 その人だかりの中心には、眼鏡少女がいた。

 クールビューティーといったキリっとした美人だが、なぜか上下ジャージというアンバランスな風貌だった。

「あ、あれは天京院夏緒さんだよ、去年合同劇出てたから知ってる……」

 キキョウによると、彼女は戸沢高校というところの有名人らしい。

「へー、そんな人もいるんだね。……あ、あすこで型抜きできるよ、やろうやろう!!!」

「うん……!」

と、彼女たちは駆け出した。




「やっぱ、普段図書室に隠れてるだけで、逸材だよなあ、夏緒は」

「そうそう、いざ外に出れば、この騒ぎ。それを利用してこうしてができるってわけだ」

 その人だがりを横目に、カフェでお茶してる風のカップルがいる。霧島拓海と法原林五郎である。

「それで?」

「ああ、あんたの捜し人はなにか企んで、ニューラグーンのアチコチ移動してるらしい。で、いまはここ」

と、林五郎はニューラグーンの南にある小さな島を指さした。

「駿江島だ」

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