幕間劇

幕間劇その3

ーへえ、親父の赤っ恥はゲンガイさん、あんたの仕業だったのか

ーそうにゃ、まあ引退リタイア前にお国のためじゃなく、自分のやりたいことやっただけにゃけどな

ーでも、なんでそんなことをしたんだ?

ーワシの口からは言えんにゃ、自分で調べて考えなにゃさい


「とまあ、ゲンガイさんが誰かに頼まれて、事件をおこしたらしいんだ」

「ふうん、ところでさ」

と、夏緒がふと思い出したように訊いた。

「そのゲンガイさん、引退してなにやってんの?」

「なんか昔の帝国含めた歴史を書いた大陸三国志という本の校訂とか、必要なら注を作ってるんだと」

「へえ」

 顔を輝かせる夏緒に、拓海はさして興味がないけど、しかたなく聞くという感じで、話を続ける。

「大陸三国志って、どんなんなんだ?」

「うん、文字通り大陸の3国を中心として、歴史を描いててね」

と、もうウンザリしてる拓海をしり目に、夏緒は嬉々として語りだした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る