幕間劇その2

―第14回帝国諸侯会議は平穏無事に終了したようです……

―懐かしいねえ、前の会議のときに、わたしは、あなたを産んだのよ、拓海

―もう、その話何度目だよ

―年よりの話なんてそんなもんよ。ごほ、ごほ……

―母さん、ダイジョウブ?

―ええ、大丈夫よ、ごほ、ごほ……

―ムリすんなよ

―ふふ、生き別れたアニキにあわないといけないんだから、まだ生きていくわ




「……てな話を、去年亡くなった母さんと話しててな、そのときに母さんが握っていたのがその写真だよ」

「ふうん、そーなのか」

と、生返事をした夏緒の手にある写真には、白髪の少年と少女が笑いながら写っていた。

 夏緒の感情移入してどこかうわの空な様子ふんいきに、拓海は少し考えたあと、こう切り出した。

「まあまあ、そんなおつらいハナシだけじゃないぜ。じつはな、このハナシにはある犯罪がかかわっているのさ」

「……ほほう」

 俄然目をキラキラさせた夏緒に、拓海はこう続けた。

「これには親父おやじと母さんが出会って、あたしを産むまでのハナシをしなきゃいけない」

「あなたの両親って、いわゆるDV夫婦みたいな関係じゃなかったっけ?」

「ああ、まずは俺が産まれた第13回帝国諸侯会議での出来事から始めようか……」

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