トルーアントの遺産その3

「なに、ここに胴体があったってんだにゃ?」

 トルーマンは先にホテル猫目亭に来ていた部下に訊いた。

「はい、あちらの二人が発見したそうです」

と、部下は応接用のイスに座っている健介と、プルミエールを指した

「ふうん」

「あと、今回の事件の被害者ガイシャだけじゃないっぽいんですよね、遺体が」

「にゃんだって?」


「にゃんだ、こりゃ?」

 バークは次々とあらわれるアチコチ損壊した遺体を見ながら、千尋に訊いた。

「わたしに訊かれても、しらないっすよ。でも思ったより大事件っぽいっすね」

「ああ」

と、話していると、ホテルオーナーが来たようなので、この部屋に泊まっていた客について訊いた。

「プルミエール様の前は、トルーアントとういう方が長い間泊まっていました。あのトルーアント博士の伯父とか言ってましたね。半年くらい前にチェックアウトして、それっきりです」

「ふむふむ。で、そのトルーアントについてにゃにか覚えていますかぬゃ?」

「ああ、そういえば、チェックアウトした時『ようやく、終わった』とつぶやいていましたね」

 捜査が続くなか、千尋がびっくりしたように駆け込んでこう言った。

「た、大変っす!!」

「にゃんだ、にゃんか見つかったかにゃ?」

「遺体の中に、トルーアントがいたんすよ」

「にゃんだと……」

 バークは総毛だちながら、そうつぶやいた。



 

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