はじまりの場所その3

「トルーアント博士?」

「蒸気機関の専門プロフェッッショナルで、空飛ぶ船の研究で有名ね。趣味で生物学をはじめ多彩な学問もやってるとか。あと、ドミンゴス兄弟をはじめとした悪党に、武器を与えてるってハナシよ」

「で、そのトルーアント博士がなぜここに?」

と、カズマがエレンに聞くと、トルーアント博士は穏やかに笑いながら、こう言った。

「なに、ちょっとがあってね、なかったから帰ろうと思ったら、きみらが来たんで遺跡を守る用だった機械で邪魔しようと思ったんだがね」

「それで、次は直接対決か?」

 思わずファイティングポーズをとる2人に、トルーアント博士は笑みを深くしながら、こう返した。

「いや、止めとこう。目的ははたしたし、そろそろここも崩れる」

 と、いきなりかれらの立っていた大地が揺れはじめた。

「「なんだ、なんだ?」」

「まあ、無事に脱出出来ることを祈ってるよ。また会えるかもしれないから」

 そういうと、トルーアント博士はピョンと何処かへと消えさった。

「どうすんだよ!?」

「とりあえず、揺れないところにいくわよ!」


「と、まあなんとか助かったわけだ」

 帰ってこれた2人は、教室でだべっている。

「結局、今回は予選もダメで、賞金とかもパーじゃない」

「まあまあ、生きてるだけでモウケモンだ」

 と、カズマは教室の机にうつ伏せでグンニャリしながら、言った。

「確かにそうね、次もあることだし」

「はあ、また出るのかよ」

「当たり前じゃない」

 エレンは破顔一笑しながら、そう返す。

「まだ、始まったばかりよ」

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