家に届いた差出人不明の荷物を開けたら、中に腐れ縁の幼なじみが入っていました
なべつかみ
第1話 いきなりの再会
俺、八条翔 (はちじょうかける)は、普通科の高校に通う高校二年生だ。
何気ない毎日を何気なく過ごす。日常生活に特に変わった事も無い。まあ、むしろ何も起きなくて毎日平和で暮らしやすい。
「ぅ…うぅ…」
俺は朝起きるのが苦手だ。しかし、心配はいらない。何せ今日は土曜日。わざわざ朝早く起きてあの着心地の悪い制服を身に纏う必要も無い。
起き上がり、カーテンを開くと日はかなり上まで昇っていた。
スマホの画面を見る。もう朝十時じゃないか、何で休日はこんなにも時が過ぎるのを早く感じてしまうのだろう。
重い身体を引き摺り、リビングに向かう。両親は仕事でいない。仕事の都合で国内を回っている為、基本家では一人だ。それに俺は一人っ子で兄弟もいない。おまけに今日は部活も無い。
大きな欠伸をしながら、テーブルの上にある食パンを
雑にトースターの中に入れる。
「大体このくらいかな…」
温める時間を設定し、ボタンを押す。押した後直ぐに冷蔵庫からジャムを手に取り、皿と一緒にテーブルに準備する。
数分経ち、パンの焼けるいい匂いがした。皿を持ち、トースターの中を確認する。
「少し焦げてるな…」
まあ多少の焦げなら仕方ないと、焼けたトーストを皿の上に乗せ、ジャムを塗り食べる。
高校生になってから家で一人になる事が多くなった。初めは寂しくて正直嫌だったが、一年も経てばもう一人暮らしも慣れた。
朝ご飯を食べ終え、ソファーに座る。今日は休みだし、ゲームでもしようかな…と思った時だった。
ピンポーン と、玄関のインターホンが鳴った。なんだこんな朝に…と思ったがもうお昼に近い時間だった。
「はーい」
俺は返事をしながら玄関のドアを開けると、そこには配達業者の人がいた。
「すみません、お届け物です」
そう言って伝票を渡してきた。よほど重い荷物なのか、キャスターの上に大きなダンボール箱を載せて運んでいる。
「あ、ありがとうございます…」
伝票を受け取ったはいいものの、俺は荷物を頼んだ覚えは無い。両親も頼むなら家には届けないだろうし…
そして伝票を見た時、明らかにおかしな点があった。
伝票に書いてあるはずの、差出人の名前が無いのだ。まさか…新手の詐欺か何かか?
「あの、伝票に差出人の名前が無いんですけど…」
俺は恐る恐る配達業者に聞いた。すると、意味深な笑みを浮かべながら、
「流石、よくお気付きになりましたね。それでは。」
そう言って足早に去っていった。いや、これは誰でも気付くと思うんだけど…って、
「いやちょっと!」
外に出て、大きな声で呼び止めたが、そこにはもう配達業者の姿は見えなかった。
「どうすんだよこれ…」
目の前にあるのは、キャスターの上にある大きなダンボール箱のみ。
とりあえず室内に運ぼう。そう思った俺はキャスターの持ち手を握り、玄関の中まで持っていく。
そして、ダンボール箱に手を伸ばそうとした時だった。
ドンッ!と大きな音とともにダンボール箱が開いた。
「お久しぶりです!翔くん!」
「うわぁ!!ええ!?」
いきなりダンボール箱から勢いよく女の子が飛び出してきた。
しかし、女の子をよく見ると何か見覚えのある顔があった。
「もしかしてお前…一ノ瀬か?」
ダンボール箱から飛び出してきた女の子は、腐れ縁になっていた俺の幼馴染だった。
皆様、新年明けましておめでとうございます。なべつかみと申します。久しぶりの唐突な投稿、失礼致しました。
新作を書きました。久しぶりの投稿なので拙い部分もあると思いますが、よろしくお願いしますm(__)m
家に届いた差出人不明の荷物を開けたら、中に腐れ縁の幼なじみが入っていました なべつかみ @nabetsukam1
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