191 満点と仕事
ことモンスターにとって、数は力だ。冒険者の肉体は
では、その力の前に人々は
例えば今、俺は魔法でプライアントを数体
「
ギルド未承認、この世界に存在してはならない魔法を連発する俺。町まで数十メートルの距離に迫った大軍勢を、力を合わせて迎え撃つ。砂浜に残したメッセージ、冒険者がここに着くまで、おそらく数分、その時間稼ぎができれば良い。
オーバーレイ・アクトは魔法使い版の強化魔法。
「「「ウォーター・ボールッ!」」」
息ぴったりに魔法を連射する学生さん…いや、冒険者の皆さん。町の方たちも、防衛設備を操っての応戦。集中
モンスターの大軍勢は強行突破をはかるが、ギルドマスター作のトラップが行く手を阻む。町を囲むように掘られた幅3メートルほどの堀。これを数名で作り上げるのだから、冒険者ってやっぱりすごいと思う。
「先生っ、上空から
くちばしが
「
触れるとビリビリする
「「「防御魔法っ!」」」
再び息のあった
―――100点満点っ!
なんなら120点くらいあげたい気持ち。さらに一事にとらわれることもなく、すぐに正面の敵への対処を始める。もう、200点あげます。
―――おっと…これは…。
新手の登場に、少し風向きが変わった。モンスターの大軍勢、その本体が見えてきたのだ。巨大なこん棒を振り回している巨人型のモンスターが数体、その周囲を
「一撃じゃ無理そうかな?」
「うん。防御力も高そうだし、攻撃力もありそう。1回ライトニング・スピアを使ってみるけど…たぶん貫通しないと思う。」
「
「キリト、それで行こう。みんな!
学生さんたちの作戦会議、静かに見守る俺。作戦はとっても正しい。攻撃が通りにくいであろう相手に対しては、状態異常魔法で対抗する。教科書通りであり、正攻法である。
―――ただ…。
俺は静かに魔法を構成する。時に
■
「やばっ!簡単に割られちゃう!」
「鎌のモンスターの攻撃力が高いんだ!くっ…どうすれば…。」
「こっちも…もうもたないよっ…。」
多重展開した防御魔法は次々と破壊され、
例えば今割られてしまった防御魔法。位置も強度も悪くない。それでも割られてしまう。なぜか。その理由は極めてシンプルなところにある。
―――反撃がこなければ…全力攻撃されてしまう…。
両手鎌を大きく振りかぶり、
そんな捨て身攻撃を許すか否かは、反撃の有無によるところが大きい。どんなに強力な攻撃を放っても、対象はあくまでも防御魔法なのだ。別にこっちがダメージを受けているわけでもない。とすると、隙をうみだしたという意味において、学生さんたちの作戦は素晴らしい成果をあげている。ただ、その隙をついていないため、力に押されてしまっているのだ。
―――まだまだ教えなきゃいけないこと…たくさん。
でも…それが俺の仕事。
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