088 笑うべきか
説明会後、配られた資料に軽く目を
「コウタ先生、少しよろしいですか?」
「はい。」
「業務の
助手さんといった感じだろうか。そんなことまでしていただけるなんて、申し訳ない
「初めまして、コウタ教授。ギルド本部のカイと申します。本日よりコウタ先生の担当として、スケジュールの管理や各種事務を担わせていただきます。どうぞ、よろしくお願いします。」
「こちらこそ、よろしくお願いします。教授というよりも学校関連の仕事すら初めてでして、いろいろと教えていただけるとありがたいです。」
「では、私はこれで。おっと、忘れるところでした。ご結婚、おめでとうございます。」
突然の
「ご丁寧に、ありがとうございます。」
一体どこから情報が伝わっているのだろうか。この世界に電話はないはずだが、電話並みの
「ご結婚されたのですか?おめでとうございます。」
カイさんには伝わっていなかったらしい。謎の情報網にも
「ありがとうございます。」
「早速で申し訳ないのですが、緊急時に備えるため、ご自宅の場所などご
確かに電話がない以上、仕方あるまい。
「はい。えーっと、あそこです。」
窓の外を指さす。校舎のかげになって一部しか見えないが、位置が伝わればそれで十分だと思う。
「あ、あの建物ですね。学校の案内図には書かれていなかったので、
今のは
「ちなみに私ですが、私はギルド出張所内に部屋をお借りしております。勤務時間内であれば、研究室
「はい。あの…まだ研究室の場所とかわかっていなくて…案内していただいても…?」
自分では絶対に
「かしこまりました。では、その他
「よろしくお願いします。」
■
カイさんの案内により、無事に校舎内の
相変わらずこの世界のサイズ感は謎で、研究室はほぼワンフロアぶち抜きとなっていた。ツッコミを入れようかとも思ったが、カイさんに言ったところで仕方がない。それに、ここは
「以上な感じですね。基本的には研究室と
それは助かる。若干距離はあったものの、さすがに2部屋くらいならば覚えられる。
「ところで、今日やっておいた方が良いこととかってあったりしますか?」
初めてのことなので仕方ないのだが、何から手を付ければ良いのかすらわからない。
「そうですね…。最初のうちは
「わかりました。冒険者としての
「いえ、冒険者として必要な知識については、ギルドの
よかった。少し肩の
「あとですね、実践演習についてですが、訓練用の
「危ないですもんね。何が出てくるかわからないですし。」
いくら町に近い安全なエリアであっても、
―――ん?ちょっと待った。強化魔法使うにしても、強化する先がないと無理だよな。
魔法使いどうしで強化魔法をかけあっても、ほとんど意味がない。強化する
「あの、魔法のかけ先といいますか、対象が必要になると思うんですけど、そのあたりはどうするんですか?」
「そのことでしたら、コロンさんから事前にお話をいただいておりまして。現役の冒険者の方々が、協力してくださることになっております。」
さすがコロンさん。ぬかりがない。
「そうですか、ありがとうございます。」
「いえいえ。魔法使いの育成は、ギルドはもちろん冒険者全体の
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