084 朝食のあと
「コホン。それでコウタ。エリに何か言うことがあるのではないか?」
コロンさんが話を
「実は…コロンさんとエリさんに、お伝えしなければならないことがありまして。」
そう、俺の
コロンさんとエリさんが
「実は…俺、この世界の人間じゃないんです。」
言ってしまった。きっと
「なんじゃ、知っとったぞ。」
「もー、
「え…結構重大なこと言ったと思うんですけど…。ていうか、コロンさん、知ってたんですか!?」
何だか状況が飲み込めない。一応、というか、ばれないように
「コウタに隠し事は無理じゃな。
「そうですよ。私も何回も聞きましたし。」
―――…ね、寝言でばれた…。
「いや、でも、そんなの
そう、普通は信じない。エリさんが「実は異世界から来たんです」なんて言ったら、俺だって
「それは…最初は楽しい夢なんだなー、って思いましたけど。」
「引っ越しの時、コウタの
―――あ、そうか。パジャマ。こっちに来た時に着ていたやつだ。
「すごいきれいで、不思議なマークがついてましたし。この世界では見たことなかったですし…。」
「すみません…言って良いことなのかもわからなくて…。」
本当は、もっと早く打ち明けるべきだったのかもしれない。今さらながら、そう思った。
「そういうもんじゃろう。わしだって、秘密の一つや二つはある。」
「そうですよ。それに…打ち明けてくれて…うれしいです。」
「コロンさん、エリさん…。」
なんだか泣きそうだ。
「とどめを刺すようですまんが、最初ここに来た時に疑ってはおったぞ。コウタが自分の攻撃力と防御力に驚いたと聞いた時点でな。計測する決まりなんじゃ。10歳になるときに。」
そうだったのか。しかしその
「それにの…これは秘密なのじゃが、
とんでもないことを聞いてしまった。
「その人は…今、どこに?」
「わからん。会ったのは…今から40年くらい前かの。顔も名前も覚えておらん。ただ、『ちきゅう』という星から来たと言っておったぞ。当時は冗談だと思っとったが、コウタと一緒だったのかもしれんな。」
「そこです!俺もその地球から来たんです!」
「なんと…!」
もしその人が地球に帰れたのならば、俺にも帰れる可能性があるということだ。しかし、顔も名前もわからないとなると、雲をつかむような話になってしまう。
「あの…コウタさん。私、聞きたいです。コウタさんが、どんな世界で暮らしていたのか。」
「…わかりました。もし、わからない言葉を使っちゃたら、
長い話になりそうだ。イスに座り直す。
「地球は、海…えっと、池のすごい広い版みたいな…。」
「コウタさん…さすがに海は知っていますよ。」
見たことがなかったので
「これは失礼…その海がたくさんある
ただ、魔法はありません。そのかわり…というと
「あの…えいぞうって?」
結構難しい質問が来てしまった。そういえば、この世界にはテレビがなかった。テレビだと思っていたのはステータスの計測器だったし、ユウ先生の病院にも映像を映せるような機械はなかった。
「えーっと…写真が動くんです。だから、まるでそこにいるみたいに、話せるんですよ。」
「ほー…すごいの。魔法ではないのか。」
「じゃあ、コウタさんは、ちきゅうの人とお話できるんですか?」
「…残念ながら。電話って言うんですけど、電話がないとできないんです…。」
スマホをポケットにでも入れておけばよかった。いや、それでも電波がないから無理だった。
「じゃあ…コウタさん、帰らなきゃいけないんですね…。」
エリさんが悲しそうな表情をしている。その言葉は、異世界転移の本質的な問題なのだ。
「帰りたくない…というのは
でも、こっちの世界で…エリさんと一緒に…もちろんコロンさんやこの町の人たちとも一緒に…ずっと暮らしたいとも思うんです。ちょっと
何度もこのことは考えた。考えたが、結論は出なかった。遠距離恋愛とはわけが違うのだ。そもそも世界が
「コウタさん、うれしいんですけど…うれしいんですけど…もし、もとの世界に帰れるようになったら、絶対に帰る選択をしてください。」
思ってもみない言葉だった。エリさんは強い。
「…わかりました!」
暗くならないよう、元気に答えた。強がりだった。ちょっと返答に
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