081 ダンジョン攻略(8)
転移の光が
「…エリさん!ほわっ!?ふぎゃっ!」
もうちょっと
「…ううわぁぁぁん…うん、ぐすん…コウタしゃん…わぁぁぁん…。」
「心配かけてごめんなさい。…もう、絶対、離れませんから。泣かないでください。ね?」
エリさんが痛いくらいに俺を
視線の先には、コロンさんがいた。「心配かけよって」みたいな表情をされたので、軽く頭を下げた。そのままコロンさんは自室へ向かったので、ダンジョンの報告は明日にしよう。
「コウタさん…むにゃむにゃ…。」
「あら…?」
エリさん、泣き疲れてしまったようだ。俺に抱き着いたまま、眠ってしまった。ずっとこのままでいたいが、さすがに風邪をひいてしまう。
―――
なぜかお家のなかだった。足元の床はくりぬかれており、そこから例の石が顔を出している。状況が全く理解できないが、今はそんなことどうでも良い。
「わたあめ、ただいま。心配かけてごめんね。」
「わたあめ」はエリさんと俺に気を
■
エリさんのこと、なんとかベッドまで運んであげようと思うのだが、これがどうしてなかなかうまくいかない。
―――寝ている人を動かすのって、こんなに大変なんだ…。
お姫様抱っこに
「やっぱり、起こしてあげよう…。」
お
「エリさん…エリさん?」
「…うん…わっ!?ごめんなさい…寝てました?」
ぐっすりと。とってもかわいい寝顔で。
「エリさん…あの…あっ。」
丁度、お腹の虫が鳴った。そういえばダンジョンでは携帯食しか食べていない。
「ふふふ、私もお腹すきました!」
よかった。エリさん、ちょっとだけ復活。
「コウタさん…今日だけ甘えても良いですか…?」
エリさんが目をうるうるさせている。その表情に、俺はとても弱い。
「今日だけ、じゃなくて良いですよ。」
その後の会話は、二人だけの秘密。大切な、大切な時間だった。
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