第2話
僕達兄弟は父からの呼び出しで書斎室に入って行った。
「父上お呼びでしょうか」
兄の問いかけに机の上に両手を重ね真っ先に僕
の顔を見て父の口が開いた。
「ロイ明日からお前を騎士学校に通う事になった。
お前も騎士の家系に生まれたからには生涯を騎士として生きて行く事だ。自分勝手は許されない本等のくだらない物に手を休めるなら剣を持ち我がグロース家に役立つ騎士に慣れ!」
「…分かりましたお父様騎士として頑張ります。」
「騎士学校には騎士寮に入って貰う。騎士の基本を体に叩き込んで来るように、私からの話は以上だ荷物の準備をするように、ロイは出なさい。お前達三人は残りなさい。」
僕は父に礼を交わし兄達はクスクスと笑い僕の顔を見ていた。
「ライトお前は第三騎士団に入る報告を受け私も自慢の息子を持ち鼻が高い!」
「有難う御座いますお父様、これもお兄様二人の剣稽古のお陰です。」
「何を言っているんだ俺達は基礎しか教えていないぞお前の実力だぞ」
「そうさ、兄さんの言う通りお前の実力だ。俺達兄として嬉しい事はない」
父と兄二人は弟のライトに誉め言葉を与え、僕は部屋の廊下で笑い声を聞く傍観者のような存在だった。
僕は騎士寮にこれから住んで行かなければ成らない不安で胸が一杯だった。
僕が部屋で荷物の整理をしていると、弟のライトが部屋に入って来た。
「寮に入らないといけない何て可哀想な兄さん、屋敷からでも通えるのに、僕兄さんに言っておきたい事があったんだ。」
弟が上からの目線で僕に言いたい事が有るようで僕は弟の顔を見ていた。
「騎士学校と騎士寮には僕を知っている者もいるんだ、僕が兄さんの兄弟と言う事は誰にも言うなよ!僕が恥ずかしい目に遭う。約束だからな」
弟は僕に兄とは思っては居ない口調で部屋を出ていった。
この家には僕の居場所は無かった…。
翌日僕は父と兄弟達からの挨拶も無く屋敷を出て行く事になった。
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