第5話
「それで被害者の体内に入った弾丸だけど」
「スタープラチナが心臓に当たる前に停めてくれた」
「それなら被害者は死んでない。心臓も動いている。弾丸は胸にある沢山の骨の一つ激突し、そこで止まった」
「それって肋骨」
「正解」
「あばらの二本や三本無くなっても人間は生きていられるからな」
「あばら骨が折れても戦うNARUTOニンジャは医学的にあり得ないわ。子供達にはNARUTOの真似をするなと教えないと」
「そういう意味で言ったんじゃない」
「肋骨に命中した弾丸は被害者の主要な臓器を全てすり抜けていた。例えば心臓とかをね」
「じゃあ弾丸が命中した時点では被害者はまだ生きていたっていたってことかいっ?!」
「またしても正解さらに言えば弾丸はそのまま被害者の動脈に進入」
「おいおいそれじゃあそのまま銃弾が心臓を突き破るはずだろう?!」
「いいえ。銃弾が進入したのは左心室から伸びる方の動脈。こっちは肺から取り入れた豊富な酸素を全身に送り込むのが役目。生命に維持に影響のある器官。例えば脳辺りに送られれば影響は免れないけどそれもなかった」
「ちょっと待ってくれ!!ピストルの銃弾だぞ!!そんなものが血管の中を動き回るなんて事があり得るのか?!不可能だっ!!?」
「はいこれ。被害者の血液検査結果」
「何か異常な数値でもあるのかっ?そうか!!きっと弾丸は一旦ドロドロの液体に溶けて血液と一体化したんだな?だから見つからなかったんだ!?」
「これはLDLHDL中性脂肪その他の値が全て正常な数値であることをしめしているいのよブラッド。全てのアメリカ国民がこの平均値と同じ血液検査結果を出せるようになれば感染症によるアメリカ人の死亡率はおそらく半減するでしょうね。国家財政の医療費の増額負担を一切行うことなく」
「訳がわからないぞ!?」
「血管につまりのないサラサラ血液の中を弾丸を流れていきました。欲張りな犬が川にお肉を流してしまったように。やがて弾丸は血管が細くなり始めた足の膝上で止まりましたとさ。この位置は普通に胴体をレントゲンしても写真には写らない位置。バイクで事故を起こして脚を折ったら脚のレントゲンを取る。胴体を銃で撃たれたら胴体のレントゲンを取る」
「だから見つからなかった」
「ソウイウコト」
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