夢
「……っ」
勢いよく体を起こす。全身が脂汗に覆われ、呼吸は荒い。震える指先で、慌てて髪の毛を掴んだ。
一房の黒髪。出来損ないの証。
残酷な現実を自分に叩き付け、冷静さを取り戻す。
久々に嫌な夢を見た。幼い自分自身が出てくるなど、妙に生々しいくせに全く記憶がない。あの草原を見たこともなければ、あの女性のことも知らない。わかるのはあの女性がハーフエルフであることと、亡くなったということだけだ。
しかし夢について考え込むのはただの時間の無駄だろう。それよりもこの汗を乾かす方が時間の有効活用というものだ。
ベッドから抜け出すと、よく行く花畑に向かった。
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