第56話 山岳の魔城
ここは、聖峰グリドラクータの西に位置する山岳地帯。
環聖峰中立地帯にそびえ立つ、一つの大きな岩山に、いくつもの洞穴が掘られていた。
その洞穴は、上下左右に内部で繋がっており、巨大な迷路となっている。壁面はレンガで覆われ、床も石が綺麗に敷き詰められ、扉によって仕切られた先には、それぞれ部屋となる大きな空洞が存在していた。
さらには、上下に繋がる空洞は斜面になっており、しっかりと階段が整備されていた。ところどころに装飾や柱も見える。
概観こそ、ただの岩山だが、その内部構造は、さながら城だった。
そんな岩山の城に数多くの”魔”なる存在が集っている。種々雑多な姿形をした知的生命体が、ある議題のため、緊急招集されたのだ。
それは、白金蓮と百合華の夫妻が、この世界に来てから15日目のこと。商業都市ベナレスで、蓮の病が治った日の早朝のことだ。
彼らがようやく訪れた平穏な一日を過ごしている頃、この山岳地帯にできた魔城に魔族の代表が集ったのだ。
そこは、魔王のもと、幹部となった『八部衆』が集う会議室。
既に4名の魔族が集っている。
その1人が呟いた。
「ふぁーーあ……ちょっとぉ、眠いんですけどぉ……誰よ、こんな早朝に集合時間を設定したのは」
彼女の名は『カエノフィディア』。
蛇の力を宿した女性の魔族であった。妖艶な容姿と出で立ち。人間の装いとは違って露出度も高い。
体には1体の蛇モンスターが巻きついており、まるで彼女の肉体の一部であるかのように自然と居ついていた。
そんな蛇女『カエノフィディア』があくびをしながら愚痴をこぼすと、どこからともなく別の声が答えた。
「仕方ないだろう。夜行性の魔族もいるからって、次の会議は、間を取って早朝にしようと、この前決まったじゃないか」
他の3人は、各々、別のことをしており、何もしゃべっていない。しかし、蛇女は、その謎の声と普通に会話をしていた。
「えぇ……そうだったかしらねぇ……だったら夕方にすればいいのにぃ」
「それでは、夜行性の者が眠いだろう」
「早朝だって、アタシ達が眠いのよ!」
と、ここにもう1人の魔族がやってきた。
「ホウホウホウ……でしたら、次回の会議は夕方ということにして、早朝と夕方を交代で行えば、公平なのではないでしょうか?」
その者は、フクロウの姿をしている。
彼の名は『ストリクス』。
学者風の服装。翼を手のように器用に使い、長い杖を持っており、いかにも魔法と知識を兼ね備えた智者という雰囲気を醸し出していた。
「あら、夜行性のフクロウさん。もう来たの。なるほどと言いたいところだけど、夜行性の人数は何人だったからしら?人数が合わなければ、半々で交代しても公平とは言えないわよ」
「ちょうど夜行性が4人です。いかがですか?」
「へぇ、なら、いいんじゃないの?フクロウさん」
「ワタクシのことは、『ストリクス』とお呼びください。お嬢さん」
「アタシは、『カエノフィディア』よ」
「ところで、先程からお一人で話をされていたようにお見受けしたのですが……そちらの蛇がお相手ですか?」
「ああ、この子は”リュウちゃん”。アタシの相棒よ。でも話をしていたのは、リュウちゃんじゃないわ。ほら、姿を見せないさいよ」
「ど、ども……」
蛇女に促されて姿を現したのは、カメレオンの姿をした魔族だった。
『カエノフィディア』の隣の席は、見た目には空席だったのだが、そこには既に彼がずっと前から座っていたのだ。つまり、最初からここには4名ではなく、5名の魔族がいたということだ。
「おお、『イグニア』殿でしたか。さすがカメレオンの能力者。ワタクシのように目に頼りきっている者には、その透明の姿を捉えることは困難ですな」
「透明じゃなくて……保護色だ……」
「アタシは熱を感知することができるから、全く意味ないけどね。それにしても、姿を現すと途端に口数が少なくなるクセ、どうにかしたら?」
「た……他人に見られるのは……落ち着かない」
「はいはい」
と、蛇女、フクロウ男、カメレオン男が会話をしていたところに、今度は巨大なカブトムシがやってきた。二足歩行をしており、和風の鎧を身に纏っている。
「皆様、既におそろいでしたか。遅れてすみませぬ」
「大丈夫よ。『トリュポクシル』。あと1人来てないから」
「お゛っ!」
カブトムシ男『トリュポクシル』は、男らしい声で悲鳴を上げるとともに「ガツン」という音を立てて、兜のようなツノを入り口の天井にぶつけた。
蛇女が呆れた顔で告げた。
「相変わらず、その長いツノは邪魔なんじゃないの。取っちゃえば?」
「このツノは拙者の命。これが折れる時は、拙者が死ぬ時でござる」
「あっそーー」
「んーーっ、んふぅーーっっ!もうみんなそろったかニャ?」
今の音で目が覚めたのか、ずっと机にうつ伏せて眠っていた女性の魔族が起きた。彼女は、猫の要素が含まれた人間、といった姿だった。
「おはよう、『フェーリス』。まだよ。いつものアイツがまだ来てないわ」
「そっか。じゃ、そろったら起こしてくれニャ」
「いつもいつもマイペースね。ネコ科のヤツらは……」
「おう!呼んだか!!」
そこに現れたのは、同じくトラの要素を持った人間。身長2メートルを優に超える大柄の男性魔族だった。
蛇女『カエノフィディア』は、このトラ男と相性が悪いらしく、彼の声を聞くや否や、イライラした口調で言い放った。
「遅い!『ティグリス』!アンタ、毎回毎回、遅刻するけど、次やったら魔王様に懲らしめてもらうわよ!」
「グハハハハハハッ!悪い悪い!そこで人間のハンターを見つけたんで、ちょっと遊んでやってたのさ!一人の腕を千切ってやったくらいで、他のヤツらが逃げ出すもんだから、追いかけて全員喰ってやったわ!」
「いいから口の血を拭きなさい!魔王様に失礼でしょ!」
「いちいち、いちいち、うるせえ女だな!人間を殺してきたんだから、魔王様だってお喜びになるだろうよ!お前に分けてやらなかったから、怒ってんのか?」
「アタシは歴代最強と謳われる魔王『デルフィニウム』様に忠誠を誓っているの!魔王様に呼ばれた時は、必ず一番乗りしているのよ。それが臣下の礼儀ってもんだわ!アンタみたいな、ただの戦闘バカと一緒にしないでくれるかしら」
「『カエノフィディア』、てめぇ、喧嘩売るなら、今すぐ買ってやるぜ?」
「望むところよ。『ティグリス』。アンタの魔王様に向ける態度は、前々から気に入らなかったのよ」
立ち上がった蛇女とトラ男が、一触即発の空気で睨み合う。
「まぁ、まぁ、落ち着いてください。二人とも。もうすぐ魔王様が来られますよ」
フクロウ男『ストリクス』が仲裁に入ろうとする。しかし、ここで、ずっと何を考えているのか、わからない表情で沈黙していた、巨大な二足歩行の狼が突然、吠えた。
「ガウガウ!!ガウアッ!!!」
部屋が震えるような大きく響く声であったが、何を言っているのか、誰もわからない。
「「………………」」
一同、静まり返ってしまった。
「『ルプス』……相変わらず何言ってるか、わからないわね。ねぇ、『カニス』、通訳してよ」
『カニス』と呼ばれた、もう一人の狼男が通訳する。
こちらの男は、巨大な狼『ルプス』とは違い、人間をベースにした姿だ。
「こいつ、『ティグリス』のアニキに付いた血のニオイに興奮しちまったみたいで、”オレにも分けてくれ!”って言ってるんですよ。なぁ、『ルプス』?」
「ガウッ、ガウガオアッ!」
「がう、がお、がうがうお」
「ガウガウ」
「……これから魔王様が来るから我慢しろ、って言ったら、納得してくれました」
「ガウ」
トラ男『ティグリス』と、蛇女『カエノフィディア』は、二人でため息をついた。
「……やれやれ。しらけたな」
「そうね。決着はまた今度にしましょ」
さて、これにて、魔族の幹部『八部衆』が会議室に揃ったことになる。
魔族は、彼らのように大きく分けて2種類に分類できた。
人間をベースにしてモンスターの力を得た者『亜人』タイプ。
モンスターが超進化して、人間のように言葉と文化を持った者『人獣』タイプ。
『亜人』か『人獣』か、という違いについては、彼らの様子を見てもわかるとおり、そこまで気にされているものではなかった。能力的にも、どちらがどういうタイプという明確な違いは存在していない。
むしろ、個々の能力が魔族ごとに全く異なっており、その相性や性格の違いによって、仲違いをしたり、逆に協力体制を敷いたりしていた。
ここで、もう一度、彼ら『八部衆』について、まとめてご紹介しておこう。
蛇女 カエノフィディア(亜人)
カメレオン男 イグニア(人獣)
カブトムシ男 トリュポクシル(人獣)
トラ男 ティグリス(亜人)
フクロウ男 ストリクス(人獣)
ヤマネコ女 フェーリス(亜人)
狼男 カニス(亜人)
大狼 ルプス(人獣)
以上である。
ちなみに表記した順番は、魔王のもとに参じて配下となった順である。この点についても、彼らの間には、若干の序列が出来上がっているようだ。
「一同、おそろいかな?」
そして、『八部衆』がそろったところに、年老いた猿の人獣タイプ魔族がやって来た。司祭のような出で立ちに、髑髏がいくつも付いた大きな杖を持っており、さながらネクロマンサーと言った格好をしている。
また、その後ろには、黒い服を着た小さな女の子を従えていた。
『八部衆』全員が椅子から立ち上がり、『ピクテス』を迎える。
蛇女『カエノフィディア』が挨拶した。
「はい、『ピクテス』様。我ら『六騎将』……じゃなかった。今、何だっけ?」
彼女は、ど忘れしてしまった自分たちの呼称を、カメレオン男『イグニア』に聞いた。
「……『八部衆』」
「そうだったわね。我ら『八部衆』、全員、魔王様のもとに参上いたしました」
「ふむ。では、魔王『デルフィニウム』様。どうぞこちらへ」
老猿『ピクテス』は、後ろにいた女の子におじぎをした。
その女の子――見た目にして4歳くらいといった幼女は、『八部衆』が囲むテーブルの真ん中、議長席と言える場所に腰掛けた。もちろん、背が低くて一人では椅子に上がれないので、老猿『ピクテス』が手助けする。
「ほら、『フェーリス』、魔王様よ。起きなさい!」
一人、寝たままだった猫女『フェーリス』を蛇女が叩き起こした。慌てて立ち上がる猫女。
「ふぁっ!?あ、魔王様っ、おはようございますニャ!」
幼女は、表情を変えることなく、落ち着いた、しかし、かわいい声で答える。
「おはよ。フェリー」
「はいニャ!」
席に座った幼女。
彼女こそが、魔王『デルフィニウム』であった。
見た目には人間の子どもと変わらない。一点だけ違うのは、額の上、髪の生え際に小さな二本の角が生えていることだった。
その幼女魔王が、少しだけ大きな声で全員に呼び掛けた。
「みな、すわれ」
「「はっ」」
全員が一斉に席に着いた。
屈強そうな魔族たち――ここにいる全員がレベル40超えという強者たちが、幼女一人の一挙手一投足に緊張している姿は、客観的に見れば、なんとも滑稽だ。
しかし、この場の誰一人、その様子に疑問を持つ者もいない。不思議な光景だった。
「ピクテス、きょうは、なに、はなすの?」
「は、本日の議題は2点になります。一つは、人間世界への侵攻準備が整い、まもなく攻撃開始できること。もう一つは、コウモリの魔族、『シソーラス』が人間に殺されたこと。以上です」
老猿『ピクテス』の言葉に、トラ男、猫女、そして蛇女が順番に反応した。
「『シソーラス』?あぁ……あの陰気なコウモリ野郎か!あいつ、殺されたのか?」
「人間に殺されるなんて、バカだニャ」
「アイツ……アタシ嫌いだったのよね。ざまあ見ろだわ。かわいいモンスターちゃんを、アイツは実験材料にしてたのよ。キモすぎて、近寄るのもイヤだったわ!」
「まぁ、待て。皆の衆、一度お聞きいただけるかな?」
騒がしくなりはじめたので、老猿『ピクテス』は、いったん制止させた。
「議題が前後してしまうが、まず『シソーラス』の件について、皆にお話ししよう。あの者が独自に様々な研究を行っていたことは、皆も承知のはず。あれは、ねぐらにしていた遺跡の中で、魔王様のお力なしには誕生しないとされていた、レベル40以上のモンスターを生み出していたようなのだ」
「レベル40以上のモンスターですと?魔王様の眷属以外で、そんなモンスターがいたら、確かに驚きでございますな」
フクロウ男『ストリクス』が感心した。
「どうやって……そんな……モンスターを?」
と言うカメレオン男『イグニア』の質問に老猿は答える。
「複数のモンスターを合成して一つのモンスターにしていたのだ」
「はぁぁぁ?最悪。やっぱキモすぎだわ。アイツ」
蛇女『カエノフィディア』がボヤく一方で、トラ男『ティグリス』は威勢よく言った。
「だが、そんなことが成功するなら、魔王軍の勢力が大幅にアップすることは間違いないぜ!レベル40以上なら、オレ達『八部衆』に加わっていいレベルだ!」
「魔族ならまだしも、モンスターちゃんじゃ作戦会議なんかできないでしょ。相変わらず、脳みそまで筋肉ね!」
「なんか言ったか、この蛇女!!」
「あぁん!!」
蛇女とトラ男が始めた言い争いに、いち早く対応したのは、なんと幼女の魔王『デルフィニウム』だった。
「カエノ、ディグ。けんか、ダメ」
「「は、はい!」」
魔王にたしなめられ、すぐさま沈黙する蛇女とトラ男。
「『ピクテス』殿、それで、その『シソーラス』殿が亡くなったことが、どのように問題なのでしょう?」
真面目に議論したかったフクロウ男『ストリクス』が、議題に話を戻した。
老猿『ピクテス』が答える。
「ふむ。問題は、『シソーラス』が殺されただけでなく、その強力な実験モンスター達も、ほとんどが殺されてしまったことなのだ。数にして、40から50は殺されたと推測される」
「ほう……レベル40のモンスターが50体も?それは人間業とは思えませんな」
「全てのモンスターがレベル40を超えていたわけではないが、それに相当するものではあったようだ」
「そんな人間がいるとしたら、心当たりは一つしかありませんな」
「ふむ。”勇者”だ」
その言葉が放たれた瞬間、部屋の空気が一時的に止まったように感じられた。しかし、それは一瞬のことで、次の瞬間には、すぐにトラ男、カブトムシ男、大狼が意気盛んにしゃべり出した。
「なるほどね。”勇者”を倒せ、ってことか」
「それほど強い相手であれば、是非とも拙者にお任せを。腕が鳴りますな」
「ガウガウガウッ!ガウオッ!!」
「ああ、”オレも戦いたい”って言ってます」
最後に通訳したのは、もちろん狼男『カニス』だ。
だが、ここで蛇女が苛立った様子で口を挟んだ。
「アンタ達、バカじゃないの?今の話、聞いてた?レベル40が、わんさか殺されたのよ?アタシ達が束になって戦わなきゃ、勝てるわけないでしょ?」
それに食いつくのは、やはりトラ男である。
「は!臆病な蛇女は、引っ込んでりゃいいさ!”勇者”を殺して、積年の恨みを晴らすことこそ、魔族の本懐ってもんだろうが!!」
「だから、恨みを晴らすために協力しよう、って言ってんでしょうが!!アタシ達のこの……よ……『四英傑』で!」
「カ……『カエノフィディア』……違う。違う」
蛇女の言い間違いに、隣の無口なカメレオン男が慌てて正した。
「あ、ああ、ごめん。なんだっけ……コロコロ変わるから間違えちゃうのよね……えーーと、『六騎将』……じゃなくて……」
「『八部衆』だよ。ババァ!!」
そこに突如、豹変したように暴言を吐いたのは狼男『カニス』だった。これまで大狼の通訳として、下手に出ていたキャラが嘘のようだ。
「バ……バババ、ババァ!?」
「さっきから黙って聞いてりゃ、勝手に仕切りやがって!何様だ、このババァ!初期組だか、なんだか知らねえけどなぁ!後から入ってきたオレ達をバカにしてんのか!オレ達は今、『八部衆』だ!8人そろって『八部衆』なんだよ!」
「アンタ……殺されたいようね……」
狼男の変貌ぶりにトラ男が大笑いした。
「グハハハハハハッ!面白え!おい狼男!お前、面白えヤツだったんだな!トラと狼じゃ、相性悪いと思ってたが、気に入ったぜ!」
「てめえも、うるせえんだよ!この空っぽ頭!」
「な……なんだとぉ……」
トラ男にまで食ってかかる狼男に、全員キョトンとしているが、当事者である蛇女とトラ男は、殺気立って狼男を睨みつけている。
3人とも立ち上がり、三すくみの喧嘩態勢になっていた。そこに声を上げたのは、魔王『デルフィニウム』だ。
「やめろ」
静かで、かわいらしい声。
しかし、それは全員の耳によく響いて聞こえた。
そして、次の瞬間には、全員の体がとてつもない力によって地面に向かい、押さえつけられた。
「「えっ」」
ズッウウゥゥゥゥンンッッ
全員、体が重くなって動けない。
下へ下へと引っ張られる力はどんどん強くなり、石で出来たテーブルに上半身がめり込むかのようだ。
「ガッ、アッ、アアアァァァ」
特に、この現象を初めて体験した狼男『カニス』は、呻くように悲鳴を上げながら、呼吸すらままならない状態に陥っていた。
「おまえたち、けんか、ダメ。わたし、いった」
魔王のかわいい叱責に、蛇女が必死に答える。
「ま、魔王様……お……おま……お待ちください……申し訳……ありませんでし……た」
「もう、けんか、しない?」
「は……はいっ」
「みんな、あやまる?」
「「はい!」」
最後は全員が答えた。
「わかった」
会議室全体を襲った超重力現象が収まった。
「じゃあ、みんな、ごめんなさい、して」
「「ご、ごめんなさい……」」
幼女の命令に屈強な魔族全員がひれ伏して従った。
ただ一人、狼男『カニス』だけは茫然としたままだ。
(な、なんだ今のは!?これが……これが魔王様の実力!?この中にはレベル40台後半のヤツらもいるっていうのに、レベル50を超えただけで別次元じゃねえか!!)
「カニス……」
「はっ!も、申し訳ありません!ごめんなさい!」
一人、命令を実行していなかった狼男は、慌てて魔王の指示に従った。
「うん。じゃ、ピクテス、つづけて」
「かしこまりました」
他のメンバーにとっては、完全なる”とばっちり”であったが、魔王『デルフィニウム』の実力を改めて味わう機会となった。
そして、確信するのだ。
”幼少の身でありながら、この実力。この魔王様に敵う者はこの世界に絶対に存在しない”、と。
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