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 ニカもそうだけど、女の子って本当に化けるんだな。ドレスアップした美麻を見てタクヤはそう思う。ミーちゃんは特別なのかな。それとも、ミーちゃんも化けるのだろうか。美麻はホテルのラウンジで誰かを待っている。

「あの人本当に資格詐欺になんかに引っかかるんですかね」

「そもそも、あの人に資格なんていらないはずだし」

「たしかにね。切迫したものがない」

「キャリアアップなんて無縁でしょうからね」

 タクヤのとなりにタコがいた。

「そうだよね」

「いつからいたの」

「来たばかりですよ。気づいてると思ってました」

「ということは」

「来てますよ、ほら」

 秦野が美麻のいるテーブルに近づいていく。美麻は秦野に気づいて立ち上がる。そして、親しそうにあいさつを交わす。

「美麻さんは、秦野にとって近づきたい相手ではありますからね」

 タコが小声で言う。

「そうですよね」

 タクヤは声を聞いて隣を見た。ニカも隣にいる。

「そろいましたね」

 タコが言う。三人が同じテーブルに着いた。三浦が持っていたアタッシュケースを開けて書類を取り出した。そして、美麻に説明を始める。秦野も何やら美麻に話しかけている。しばらくして、美麻はバックの中から封筒を取り出した。離れて見ていたタクヤたちにもその中身が札束であることはすぐ分かった。

「まずいんじゃないですか」

 タコがタクヤに言う。

「それじゃ出ていく」

「調査の目的は秦野の素行調査、犯罪を暴くことじゃない」

 その時、背広を着た男たちが三人を取り囲む。ラウンジは騒然となった。

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