第17話 期待

校舎を出たり、入ったりしている。

まったく終わる気配がない、どっちが諦めるかの我慢比べ。

捕まらない俺、スピードが一定なアーフィルオロ。

それでも捕まらないようにしている。


俺は五階の階段を登っていると、


「ちょっと待ちなさい」


すれ違う時に掴まれる。


「え?」


「あなた規則守りなさい」


音華環さんだった。


なんて返せばいいか。


「待てててええ!!!」


アーフィルオロが来る、やばい。

でも逃げられないどうしよう。


「あなたも待ちさない」


音華環さんはアーフィルオロも言葉で止める。

アーフィルオロも音華環さんだと気づき、正気に戻る。


「すいません、走ってしまって」


俺は音華環さんに言う。


「君はここにいなさい、もし居なかったら逮捕するから」


音華環さんは笑顔で言い、アーフィルオロを連れ、廊下を歩いていく。

廊下の角により見えなくなった。

俺は段を使い、座る。


数分をして戻ってくる。


「話は聞いたわ、決闘しなさい」


そうだよな。

俺にとって困ることだ。


「決闘だけは嫌なんですよ」


「なんで?」


俺は言おうか迷う。

言ったとして信じてもらえるのか?

信じてもらえないだろう。

人は受け入れない人が多い。


「それほど嫌なんだね」


音華環さんは優しくそう言ってくれる。


この人は信じてくるだろうか。

そんな期待をする。

でも風紀委員長としてかもしれない。

それでも言うべきだ。


「はい、信じてくれなくてもいいですから聞いてくれます?」


「わかったわ、メフィアも聞いていいよね?」


「はい、アーフィルオロとは仲良くしたいので」


「フフフ」


笑う音華環さん。どうしたんだろう?


「実は‥‥‥‥‥」


俺はデバイスの役割のことを言う。






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