第14話 八九事件

「疎ごめんね」


「ごめんね、ごめんね、ごめんね‥‥‥‥」


頭に響き蘇る。


チィ


俺は舌打ちをして起きる。

まだ午前三時。

気持ちよく寝ていたのになんで邪魔をしてしまう?

その声はもう聞きたくないのに。

なぜだ?なぜだ?なぜだ?なぜだ?

問うても無駄だったな。


俺は目が完全に覚めてしまう。


「はぁ」


目が覚めたことと昨日はいろいろあったなと、思いを少しでも軽くしようとため息をした。

けどそんな簡単には軽くできない。


俺は気を削ぐようにデバイスから残高を確認する。

まだ三日目だからそこまでは使っていないだろう。


8,007,800¥


まだ800万は残っているな。

俺はここに来たのは特別な事情があったから、学園側から貰ったいや国の指示で支給された。

俺を無理くり来させたのだからここまでしてくれないと困る。


『魂自機(ソウルマシーン)』


俺の前に水色で半透明のPCが宙に浮かんでいる。

俺はそのPCの残高を確認する。


20000000000¥


200億入っていた。

このお金は親の遺産だ。

まだ一度も使っていない。

デバイスに移せるがそんなことはしない。

デバイスのお金は管理されているからな。

何年何月何日何曜日に何を買ったのか学園側は知れる。

だからデバイスには移さない。

  


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方そのころ、理事長室にて‥‥


「劣等生颯颯 疎、あんな怪物が劣等生であるはずがない、きっとなにかする気」


私こと小早川廉学園理事長不知火 咲南(しらぬい さな)はワインを片手に独り言を呟く。


「八九(はちきゅう)事件の唯一事件現場で生き残った人颯颯 疎、スキルが気持ちなんてありえない!嘘を書いたな!警戒するべきか?まだ三日目だ、やつがなにか起こしてからでも遅くないはず」


私は一人だったので独り言は慣れている。

八九事件、スキル保有者が起こした最悪の事件、死亡者六千人、生存者一人。

犯人のスキル保有者は火炎系で元小早川廉学園の主席。

火炎系にしては弱点が無く、酸素が無い状況などいかなる状況でも使える。

犯人は街を燃やした、最後犯人は落ちてきている室外機に気づかずに頭が潰され、死亡そうして事件は終わった。火は犯人の死亡により一瞬で消えた。

残酷なことに街の負傷者などを自ら殺しに行くなどをしており、精神に異常があったとされている。

殺し方はいろいろあり、焼死、強打、メッタ刺しなど残酷極まりない。

私はそのころはスキル保有者警察科として現場にいっているため、被害の様子は覚えている。焼死した親の近くにして死亡した犯人の近くで夜空を見上げている子供が居た。






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