第12話 劣等生のメリット

どこに行こうか。

かっこつけ屋上から出てきたはいいが、


「弁当どこで食おうかな」


独り言を階段のところで呟く。


俺は真っ先に目に入ったすぐそこの自教室にすることにした。


鍵は空いており、誰かが居ることがわかった。


「あ、全熱先生」


入ると全熱先生以外いなく静か。


「どうした?」


「弁当を食べに来たんですよ」


「そうか」


俺は自席に座りかばんを床につけ、弁当を取り出す。


「いただきます」


弁当を開き、食べていく。


‥‥もぐもぐタイム‥‥‥。


「ごちそうさまでした」


弁当をかばんに中に入れる。


全熱先生も教室にまだいる。


「全熱先生はご飯済ましました?」


「まだだ」


俺のことを待ってくれてたのか。

いい先生だな。


「全熱先生に話があるんですが」


「なんだ?」


俺ははっきり聞こえるように言う。


「劣等生のままにしてください」


「は?」


全熱先生は驚いている。

全熱先生は甘すぎる、ただ学園生活をするだけで俺は普通生にするはず。


「どうしてだ?」


「劣等生はデメリットが多いんですよ、でも最大のメリットがあるんですよ」


「そのメリットを目的に?」


「そうです」


「なんでだ!?」


「そうですね、全熱先生は今までここで働いていました?」


「そうだ、もう五年ほどになる」


「劣等生のメリットのヒントを言いましょう、全熱先生はクラス交流戦について違和感を覚えたことはありますか?、あとデバイスいやMUDデバイスには重要な役目があるんですよ、俺以外の生徒は気づいていません、さらに気づいている人は学園に俺含め三人ほどだと思います、では」


俺はクラスを出ていく。

このことはデバイスが渡された日にデバイスの情報を自前の機器にコピーしているときに気づいた。

コピーしたことはバレていないからセーフ。

俺にとって邪魔になることだったデバイスの一つの役目は消去しておいた。

ものすごく邪魔すぎる。

MUDデバイスのMは測定、Uは使う、Dはデータ。これもヒントだ。

俺は部屋に戻ることにした。








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