第11話 屋上にて会話なり

「ん、人が居る」


「どこにだっていますよ」


そのとおりだ。

視界の中央に居る少し肌が白く、髪は銀色に見え、目はオッドアイで青と茶色。

アルビノかな?けどあまりにも似合っているので美少女だけどこやつ一人しかいない。

ボッチじゃん。


「あなたの名前は?」


うーん、どうしようか。


「先に名乗ってください」


「はぁ」


こやつ目の前で見せつけるかのようにため息しやがって。

そして長髪ふわっとする癖やめろう。

俺のヒロインかってぐらい容姿が俺の好んでいる分類に入っているから油断したら惚れちまうだろ!!


「私はアーフィルオロ・メフィア、名乗ったわ」


「俺は颯颯 疎(はゆそう うと)、では」


俺はかばんを取り、アーフィルオロに背中を向けすぐに屋上から去ろうとする。

アーフィルオロの左胸には優等生のバッチがつけてあった。

羽差以外の優等生と話す気はないからというかロクなことがない。


「待ちなさい」


「え?」


俺は屋上のドアノブに手をかけ振り返る。

決闘ですか?

そんな不安が横切り頬に冷や汗が伝わる。


「私の容姿が気にならないの?」


弱々しい声で言われる。


気になるは好みの容姿だからな。

そんなことは言えないのでそもそもアーフィルオロが言いたいことがわかる。

アルビノだから気持ち悪いかってことだと思う。


「俺はアルビノだからって気持ち悪くない」


アーフィルオロは少し涙ぐむ。

そんなこと言われたは初めてかもしれないな。


言い方は悪いかもしれないが俺はアルビノは容姿の色で気持ち悪いと思われているとそう考えているけど体の一部が変異または欠陥した人を初めて見たときこう思ってしまった、


『こんな人達が居るのか』 『この世は平等ではない』


衝撃だったけれど受け入れたというかスッと見てすぐ受け入れれた。

きっとこの世は平等にならないようになっている。

俺こと颯颯 疎は病気などにはかからなかったが、

俺ができることは障害での差別は絶対にしない。

ただそれだけ。


「俺のクラスは一年E組だ、雑談でもしに来いよ」


俺はアーフィルオロが涙を流したのを見ると屋上を去る。

優等生と関わる覚悟を持たなければ。







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