第3話 スキル解析
校内に入り、七分ほどして一年E組の教室に着く。
校舎七階建てってしかも教室は七階だし、これから毎日から登らないとだめなのか。
苦労するわ。
席には教材の上にネームプレートが置いてあった。
「ネームプレートを確認して座れ」
そう言われ、俺は自分にネームプレートを見つけ、座る。
全員が座ると、目が赤い先生が口を開く。
「この一年E組の主担任の全熱 王利(ぜんねつ おうり)だ、スキルか熱(ヒート)、一年間よろしく、自己紹介はあとで個人でしときな、席は確認しだろうからお前らが楽しみにしているであろうスキル解析だ」
「やっとだ」
「楽しみしていた」
などと言っているが俺は嫌だ、スキルでカーストが決まるんだぞ。
「はぁ」
ざわざわしていて俺の心配のため息は誰にも届かなかった。
「じゃあ始めるぞ、自分のデバイスを見ろよ」
全熱先生が言うと、みんな自分のデバイスを見ている。
ピ ピ ピ
全熱先生のデバイスから音が鳴る。
「OK、ではよくデバイスを見ろよ」
「解析中‥‥解析中‥‥」
無機質の声が鳴る。
「解析終了」
俺のデバイスに表示される。
颯颯 疎(はゆそう うと)
スキル 魂(ソウル)
俺は見るとデバイスをホームに戻らす。
そしてスキルのクールタイムがないし、発動条件がないから強スキルではと思うが効果が書かれていなかった。
べつに強いスキルではないな、普通は。
周りを見ると、解析終了する時間は皆違うようだ。
「やった!雷(サンダー)だ!!」
自分のスキルを言うバカが居た。
決闘をする上で大事なことがあると思っている。
それは自分のスキルを悟られないこと。
バカは知っているやつに対策を取られ、倒されることだな。
数分経つと、
「自分のスキルがわかったな、では紙を配る、スキルのことを書け、書き終えたら紙を裏返しにしとけ」
紙が配われる。
項目があり、スキル名とスキルの効果や発動条件、クールタイムについてだ。
俺はこう書いた。
スキル名
気持ち
効果
気分屋になる。
発動条件
たまに状況の変化により気分が変わる。
クールタイム
なし
先生はスキルのことについて書けとは言っていてもほんとのスキルについてとは言っていない。
さすがに嘘は書けないから間違えではないことを書いておいた。
紙を裏返しにして、パラパラ程度に教材を黙読することにした。
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