第29話:モノカキとして勉強になった台詞
こういう類の内容は、【思案の沼に沈んでみる】の方で執筆しているんですが、今回は書きたいことがあり過ぎるのと、ココで書きたい内容については考察というよりも、文章を書く身として参考になった…という話なので、エッセイでもいいかなって思いました。
今回勉強になった作品は、『ミュージカル忍たま乱太郎 第11弾:忍たま 恐怖のきもだめし』での内容です。
先日、再演の東京千秋楽の際「SNSでつぶやいても大丈夫」って運営さんがおっしゃっていたので、ネタバレ等は気にせず書きますが、もしネタバレが気になる…という方は、円盤等でご覧になった後に読んでくださると嬉しいです。
あくまで、作品の内容への考察ではないのでご了承ください。
いったいどんな台詞が勉強になったかというと、一つの繋がっているように聞こえる台詞なんですが、3ブロックに分かれている…という。
ちょと、説明が難しいんですが。
色々あって気絶してしまった
現場の指揮をとっている
※東京千秋楽のアーカイブを参照して抜粋しています。実際の台本は読んだことがないので、あくまで参考程度に読んでください。
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善法寺「文次郎、遅くなってごめんね」
潮江 「こっちは大丈夫だ。それより、長次の具合はどうだ?」
善法寺「まだ眠っているけど…あぁ、熱も下がったし大丈夫」
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上記のようなシーンがあったんですよ。
一見、普通のシーンですよね。
でも、この最後の善法寺伊作の台詞は会話の対象が三回変わる気がするんですよ。
A:善法寺→潮江
「まだ眠っているけど」
B:善法寺の独り言
「あぁ」
C:善法寺→その場に居る全員へ
「熱も下がったし大丈夫」
この3ブロックです。
でも、実際に映像を観た方ならわかると思うんですけど、台詞は繋がっているんですよね。
『B』の「あぁ」で、他の人物達が自分と潮江文次郎の会話に関心を持っている事に気が付いたんだろうなって思うのですが…。
これは、舞台だからこそ…な部分もあるとは思います。
役者さんの演技力とか諸々ね。
でも、もしさっきの会話を文章にするなら、状況の説明として俗にいう『地の文』というのを書くと思うんですよ。
もしも私が台本ではなく、小説としてこのシーンを書くのなら下記のようになるのかな…。
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調べ物をしている皆と合流するために、扉を開けた。
「文次郎、遅くなってごめんね」
「こっちは大丈夫だ。それより…」
僕の声に気が付いた文次郎が駆け寄ってくる。
「長次の具合はどうだ?」
「まだ眠っているけど…あ、」
皆の視線が僕に集まっているのが伝わってくる。
皆も長次の事を心配しながら、一生懸命調べ物をしてくれているんだ。
「熱も下がったし大丈夫」
皆にも聞こえるように先程よりも大きく、そして安心できるように優しめの声色で伝える。
僕の言葉を聴いて、皆の張りつめていた空気も少し緩んだのか、息がもれる音が聴こえた。
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こんな感じですかね。
ものすごくざざっと書いたんですが…。
でもきっと、こんな風に状況説明というか登場人物を動かす文章を台詞の合間に入れると思うんですよね。
でも、文章にしてみたらちょっとだけ台詞のテンポが遅くなった気がしません?
私の書き方の悪さも勿論あるんですけど、善法寺伊作が部屋に入ってから「熱も下がったし大丈夫」の台詞が終わるまで、アーカイブ映像だと約11秒くらいなんですよね。
でも、私が地の文を足した方だときっと体感時間は、もう少し長いんじゃないかなって思うんですよ。
多分、30~50秒くらいかな…。
でも、私が抜粋した会話文だけの方ならもう少し短い時間になると思うんですよ。
文章量も減りますから、当たり前かもしれませんけども。
実際の時間よりも3~4倍の時間がかかってしまうことを事を実感して、なんだか執筆する際にイメージしていた映像を文章にするのって難しいんだなって、改めて実感しましたね。
私は、現在連載中の小説を執筆する際に一度脳内で舞台化させて、それを参考資料にすることがあるので、今回の件はとても勉強になりました…。
私が現在執筆している小説は、そこまでテンポ重視な会話とかも無いのですが、戦闘描写とかがある作品を執筆する際には、読者の体感時間とかも意識して書きたいなって思います。
殺陣とかがある舞台映像とかを観ながら、どのくらいの時間でどのくらいの展開ができるのか…。
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