第2話

小説はいい。何処か違う場所へ行けるから。結婚式の夢を見たとして、大事な部分は想像できやしない。鏡を見ても、顔がとても酷い。これでは離れていくのもわかる気がする。話し合うための席にお互いが着こうとしないから惰性で関係は続いていく。


ハッピーかアンハッピーなのか。まだ結論付けるのは早い気もするし、もうわかりきっている気もする。


「何処が好きなの?」


そう聞かれたら、いったいどんな答えを言えばいいのか。すぐに回答を出せないのも悲しい。


何処から間違ったのだろう?読んでいる小説はクライマックスだ。誰もがその人を忘れ去っても隣で笑い続けて2人仲良く暮らしました、なんてありきたりな終わり。

私の人生を小説に例えるなら、きっと誰にも読まれない三文小説だ。山場もなく、うまくオチもせず。


ちらりと時計に目をやれば、0時を回っている。一応置いておく晩御飯。食品サンプルだとでも思っておけばいい。

こんな生活はいつからだった?もう長すぎて覚えていない。

ただ、いつもはなにも感じないのに、どうしてだろう。この日はとても苦しくて。



苦しくて苦しくて苦しくて


笑って笑って笑ってーーー




泣いてた。

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