洟(はな)

詩人の首を曲げさす蓄膿。

何を吐き出そうにも。

虚飾になるのに苛まれて。

「どうにもつまらない。chaosのようだが。」

とひとりごちる。

それから燃ゆる膜から。

燃えかすが生まれるばかり。

果てない徒労。


(ついに)

詩集のペエジで鼻をかむ!!!!!

くしゃくしゃになった文字だ。

粘ついた洟にまみれ。

比喩という比喩がじわりと濡れ。

上滑りした無駄な言葉たちよ。

さようなら。


お前の言葉も。

私の言葉も。

どの述懐も呪術になりそこなう。

どうにもならず。


ずずずずずずずず

ずびびびすびず


洟をすする。

黄色く濁った観念。

まだ溜まっている。

嫌な感じ。

乾いた咳を繰り返し。

えずいた。


――アア、コレモコレデ結局外連味ナノダ。

 費ヤシタアラユル思考ノ、セメテモノ供養ノタメニ。

 合掌。(手を合わせ鼻を抑えてそれから……)


(初出 同人誌OUTSIDER HPより

https://outsider.daa.jp/yuichinakagai-3/)

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嘔吐ポイエーシス 中貝勇一 @u1nakagai

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