37話

 そんなこんなで今、温泉に入っている。

 今日一日の疲れを取るように、肩までゆったりと浸かる。

 邪魔者が来なければ良いが。

 というのも、この温泉は部屋に設置されたカップル用の浴槽だ。しかも露天。

 ん? いや露天じゃないな。

 目の前には、神木樹と言われるドームの中で最大サイズの木が聳え立っている。

 ライトアップされたその木は神秘的の他なかった。

 ここのホテル等の施設は丸みを帯びたその壁に沿って二階三階とアーチを描くように作られている。

 その中心が先ほどいた場所だ。遊具等が置かれたテーマパークとなっている。

「ゆーくん。入るね」

 そんな声が聞こえてきた。

 外から見えないからとは言え、家の外では流石に気が引ける。

「私もいるよー!」

 と縁を持ち上げた柚子が顔を出す。

 なんだ二人か。って二人?!

 入った事はあるけど、あるけどもここの浴槽は家の浴槽ぐらいか、それより少し大きかのサイズだ。確かに入れる。だけど外だと誰からか見られているようで妙に恥ずかしい。

 でも、まぁいっか。どうでも。

 縁が俺の上に座った事により全ての事がどうでも良くなった。縁の柔らかさ。それがあれば良い。

 そうは言っても、理性が吹き飛んだ訳ではない。

 理性が吹き飛んだならば、何をしでかすかわからない。

 なんと言うか、デッカい爆弾を抱えて生きているようにも思える。

 しかしだ、柚子の存在と姉の存在で理性が保てている説がある。

 二人きりだったら、誰かに見られると言った大きな恥ずかしい事はあまり起こり得ない。だが、柚子がいることによって、その恥ずかしさを回避する思考回路が働く。

 つまり、柚子様様なのだ。

 でも待てよ? 三人プレイもあり得るのか?

 まぁそんな事は置いておいて、色々な事があって理性が保てている。

 うん。

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