36話
「あー私たちのご飯が!」
そう言って何処からか出てきた姉が言った。
「葵くん。いつでも食べられるじゃないか」
姉に続いて社長も出てきた。
「いつでも食べられる?」
「あぁ。君たちには言っていなかったね。そのパンケーキはネット販売もしているのだよ」
ふーん。と適当な返事をしておく。
「さて、みんな! 問題ってどうだった? 結構難しいでしょ?」
といつもと違う口調で喋る姉。と言うかいつもバラバラか。
「難しい他ありませんよ。あれ」
「それはもう鬼だもんね」
と姉は答えた。
「でも君たち知らないだろうが、鬼をクリアした景品はその機械葉だ。良いだろう?」
これが景品。
ポケットに入っているそれを確認する。
確かに欲しいと言えば欲しいけど要らないと言えば要らない。微妙なラインだ。
「ゆーくん。私これ欲しい!」
予想外の反応を示したのは縁だ。
確かに縁スマホを持っている所を見た事がない。
持っていないのだろうか?
「縁って、スマホ持っていないのか?」
「うん。持ってない! と言うか壊れちゃった」
子供のように言う縁。
そう言う事なら、縁のためにも頑張るかな。
そんなこんなで夜。
俺らは、難易度鬼をなんとかクリアして、機械葉を手に入れた。
そして今は、旅館の部屋でゴロゴロしている。
縁は何やら、機械葉のセットアップを終えたようで機械葉、スマホを弄っている。
「縁、何しているの?」
と柚子が縁に近寄って言った。
「んー? 青い鳥ー」
「青い鳥って、あのSNSの?」
「そう。久しぶりに開くから、リプライとか現状報告を呟いてる」
「へぇー縁ってネットやっていたんだ」
俺も近付いていく。
「ゆーくん。なんかゆーくんの事を報告したら荒れてるのだけど、なんで?」
は?
その後ネットニュースになったのは内緒だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます