24話
夜。
何と言うのでしょうか?
シングルべットに三人は狭すぎる。
まぁ縁だけなら良いとしよう。
それに加えて柚子も横に居る事が問題だ。
二人に挟まれているこの状態で、全く寝ることができない。
両壁が柔い感触で埋め尽くされて、しかもあれだ柚子に関しては胸を押し付けて寝ている。
あー心臓が爆発しそう。
あーどうしたものか。
「ゆーくん?」
話しかけてきたのは縁だった。
「寝たんじゃなかったのか?」
「いや、ゆーくんがゴソゴソしてたから起きちゃった」
「それはごめん」
「ううん。全然良いの。ところで睡眠導入剤飲む?」
は?
「それはどう言う」
と言いかけた時、縁がキスをしてきた。
だが、普通のキスではなかった、確実に口の中に何かを移された。
そしてペットボトルを渡され飲んでと言ってくる。
何が何だかわからなくなるこの状況下で、指示されたら、行動に移してしまうではないか。
俺は、口に移された錠剤らしき物を飲み込む。
すると時間が経つにつれ、意識が遠のいていく。
意識が切れる瞬間、縁が「一緒に遊ぼうね」と言った気がした。
なんとか、薬を飲ませて眠らせる事ができた。
いつもは眠った後、口移しで飲ませていたのだが、今日に限って強行突破してしまった。
「柚子さん。寝ましたよ」
「おう。そうか。じゃぁ遊びますか」
「そうですね」
これから先の事は絶対にゆーくんには内緒だ。
淫語を発して、ゆーくんに甘えるこの姿を見せてしまったら、引かれてしまうかもしれない。
しかし。今は睡眠薬でぐっすりのゆーくん。
起きることは、まずない。
今日は、柚子さんと汚れよう。
そう思った。
朝風呂。浴室にて。
「柚子さん。遊びすぎですよ。ゆーくんぐったりしちゃったじゃないですか! 私の分も残しておいてくださいよ」
「ごめんごめん。でもあんなに楽しいんだね」
「そうですよ。何を今更」
「だってさ。好きな人を滅茶苦茶にできるのだよ? 最高じゃん」
「かといって、一人で残量を全て使うのはどうかと思います」
二人で湯船に浸かる。
「でも縁ちゃんも、おこぼれ貰ってたじゃん」
「そ、それは仕方はない事です。だって欲しかったんだもん。キスだけじゃ満足出来ませんし」
「そうだよね。わかる。でさ、今日薬局行くんのだよね。なら、あれを買えばもっと楽しい事ができるんじゃない?」
「え? でも私はゆーくんの意識がある時にしたいんですよね」
「うーん。じゃぁ私だけ優くんを堪能しちゃおうかな」
「それはずるいです」
そんな会話が続いた。
すると起きてきたゆーくんが顔を洗いにきて、「二人で何やってるんだ?」と聞いてきたけど、私はこう答えた。
「女の子の秘密」
女の子の秘密?
おそらく男の俺が触れていけない事だろう。
気にしないでおく。
「じゃぁ朝飯作ってくる」
「ちょっと待って。今日二人で出かけるから昼ご飯と夕飯が要らない」
「わ、わかった」
遊びに行くのだろうか?
まぁ女の子同士の買い物とかもしたいのだろうな。
俺には否定権はない。
「んじゃ。作ってくる」
と洗面所をあとにする。
今日は何を作ろう。
ソーセージとレタスでいっか。後、お味噌汁。
そこまで難しくない料理を作る。
野菜を切り煮る。そこに粉末出汁をいれ味噌を入れる。当然赤味噌。
そんなこんなで、ソーセージを焼き終わり盛り付けた。
出来上がったと同時に二人がリビングに到着する。
「頂きます。で二人は今日どこに行くんだ?」
「ゆーくんには秘密」
「秘密か。でも楽しんでな」
雑談に花を咲かせながら食べる食事。
しかも女子。
今となっちゃ普通に思えるが異常な事だ。
改めて嬉しい。
しかしいつの間にか食べ終わっていた。
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